「好管家（はおぐぁんじゃー、Good Housekeeping）」
という女性雑誌の広告です。
看板には大きく「你幸福嗎？（にーしんふーま？、
あなた、幸せですか？）」と書かれています。
これはどうも、この雑誌が中国全土から
幸せに暮らしている人を募集して、
その応募者の中から一般投票と審査委員による審査により、
人が羨むような「幸福偶像（しんふーおうしゃん）」を選出し、
同時に「人はどんな生活を送ることによって
幸せを感じることができるのか？」という
１つの基準を作ろう、という企画のようです。
ついこの間まで、中国の人たちは、
「金持ちになれば、必ず幸せになれる」と固く信じて、
「拝金主義」と言われようが、「向銭看（しゃんちぇんかん、
カネに向かって進む人）」と言われようが我関せずで、、
あらゆる手段を使って金儲けに邁進してきました。
そして、マイホームとマイカーは、
幸せな生活を送るためには必ず手に入れなければならない、
幸せへのパスポートのような存在であり、
みんなマイホームとマイカーを手に入れるために、
馬車馬のように働きました。
しかし、実際に金持ちになってみて気付いたのは、
「資産残高と幸福度は必ずしも比例しない」という事実でした。
お互い、残業、出張の連続で疎遠になる夫婦仲、
たまにしか家にいない両親を忌み嫌う子供、
寝るためだけに帰るマイホームや、
忙しくてドライブにもいけないので
車庫に置きっぱなしになっているマイカーのために
毎月払い続けているローンの返済などなど。
「あなた、幸せですか？」
この問いかけは、物質的な豊かさの追求から、
精神的な豊かさの追求に脱皮しようとしている、
中国の人たちの心に強く響くのではないでしょうか。

撮影日：2009年４月12日（日）
撮影：柳田洋