■柳田洋・北京からの画像便り No.338 ■


580万円値引き!

世界的な金融危機による中国の景気の減速により、
北京の不動産価格も下落に転じているようです。
写真は当社オフィス近くに建設された
新築高級マンションのチラシです。
「直降40万(ぢーじゃんすーしわん)」、つまり
「定価から40万元、一気に値引き」と書いてあります。
40万元と言えば580万円。
思い切ったものです。
更にこのチラシを良く見ると、
「全ての家具、電化製品をプレゼント」とか、
「頭金30%で20年のローンを組めば、
最初の2年間はローン返済猶予」など、
これでもか!というぐらい、お得な特典を付けて、
お客さんに買ってもらおうとしています。
しかし、この高級マンションは東三環路の内側ですので、
平米単価は安く見積もっても25000元(36万円)。
3LDK、150uの部屋であれば
価格は375万元(5400万円)。
元々の価格が5400万円では580万円値引きしてもらっても、
4820万円ですので、いくら住宅ローンが用意されていても、
こんな高額の物件を買える人はごくごく限られてきます。
ほんの1年半前までの不動産バブルの時期には、
更なる値上がりを期待して、
親類縁者からカネを借りまくってでも買う人がおり、
こんな高額物件でも飛ぶように売れていきました。
しかし、不動産市況の先行きが不透明となった今、
北京の人たちは今後の値上がり値下がりに関係なく、
その不動産自体の絶対的な価値を、
冷静に見極め始めているのではないかと思います。

撮影日:2009年4月12日(日)
撮影:柳田洋


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