■柳田洋・北京からの画像便り No.333 ■


レンガ製高級マンション

北京のある高級マンションの外側の柵です。
外側の化粧用のタイルがはがれて、
内側のレンガがむき出しになってしまっています。
こういうのを見せられてしまうと、
20階以上ある高級マンション本体も
レンガで造られているのではないかと
疑りたくなってしまいます。
日本でマンションを買うと
応分の土地の所有権が付いてきますが、
中国のマンションは
「70年の定期借地権付き建物」であり、
国家の持ち物である土地は所有できません。
このため、マンションの購入代金に占める
建物の部分の割合は、
日本のマンションよりずっと大きいのですが、
その肝心の建物が外見や内装はきれいでも、
一皮剥けば手抜き工事だったり、
中身がレンガだったりすることがよくあります。
しかし、一昨年までの不動産バブルの時には、
マンションの建物自体の本当の価値よりも、
更に値上がりする前に買うことを重視する人が
ほとんどでした。
このため、今回の景気の減速で冷静になってみたら、
築2-3年でもう既にボロボロになってしまった
価値のないマンションと巨額のローンだけ残っている、
という人がたくさんいます。
今回のバブルとその後の景気の減速は、
中国の人たちにモノの本当の価値を見極めることの
大切さを教えたのではないでしょうか。

撮影日:2009年3月1日(日)
撮影:柳田洋


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