■柳田洋・北京からの画像便り No.298
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オリンピック選手が信頼する高品質食物
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北京オリンピックを控え、
麦当労(まいだんらお、マクドナルド)は
たくさんの中国代表選手と契約を結び、
オリンピックキャンペーンを行っています。
写真は麦当労のドリンクカップに印刷された
飛び込みの郭晶晶とバスケットボールの朱芳雨です。
他のパッケージにも様々な種目の
中国代表選手の写真が印刷されています。
ただ、ちょっと違和感を感じるのは、
「オリンピック選手が信頼する高品質食物」というコピー。
そして白黒の選手の写真、色彩に乏しいパッケージデザイン。
麦当労のこれまでの広告宣伝の傾向からいくと、
オリンピックという4年に1度のお祭りを迎え、
オリンピック選手のかっこ良さと自社のイメージをダブらせて、
ハンバーガーの主力顧客である若者にターゲットを合わせた
かなり派手なコピーとカラフルなデザインのパッケージを
出してくると思ったのですが、
コピーもパッケージのデザインもかなり地味です。
麦当労は四川大地震の後にインターネット上で広まった、
中国で大儲けをしているのに義援金をケチった外資系企業、
いわゆる「国際鉄公鶏(てぃえごんじー、ケチ)」リストに
名を連ねており、そのリストを見て抗議をする人たちが、
四川省の店舗に押し寄せたりしました。
この地味なコピーとパッケージのデザインは、
「被災者の人たちはまだ苦しんでいるのに浮かれるな!
そんな広告宣伝費があったら義援金を出せ!」
という批判を事前に回避するための、
自発的な「自粛」なのかもしれません。
撮影日:2008年6月30日(月)
撮影:柳田洋
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