| 第1528回元死刑囚による連続殺人
 先日、雲南省で56歳の男が殺人容疑で逮捕されました。 この男、1979年、23歳のときにも人を殺しており、殺人罪で執行猶予が2年付いた死刑判決を受けていました。
 しかし、その後減刑され、
 死刑判決から18年後の1997年には刑務所を出所しました。
 出所後しばらくはおとなしくしていたのですが、2008年以降は、
 一人で歩いていた男性を相次いで襲って殺害し、
 遺体を解体したり焼いたりして
 埋めることを繰り返していました。
 警察は大量の物証をDNA鑑定した結果、
 この男性による男性11人の殺害が確認されたとして、
 今回、それらの容疑で正式に逮捕しました。
 殺害の動機は、いまだ明らかにされていません。
 雲南省昆明市では、5年ほど前から青少年らの行方不明が相次ぎ、
 その数は17名に上っています。
 事件に対する適切な対応を怠り、再発を許したとして、
 地元警察のトップは解任されました。
 警察は今回逮捕した男にはさらに余罪があると見て、
 取り調べを進めています。
 世界的に悪名が高い中国の死刑制度。 中国政府は同国の死刑執行数を公表していませんが、人権団体の調査によれば、年間2000回前後と
 世界の死刑執行数の実に70-80%を占めているのだそうです。
 しかし、それでもこの男のように、死刑判決を受けたにも関わらず、
 執行猶予が付いて、減刑されて、出所してくる人もいます。
 執行猶予、減刑、出所の理由はわかりませんが、
 23歳で人を殺したときに死刑にしておけば、
 全く罪のない11人の若者が
 命を落とすこともなかったのではないかと思うと、
 悔やまれてなりません。
 もちろん、人が人を裁いて、その罪を死をもって贖わせるのは
 その人の人権を侵害している、という
 人権団体の人たちが言うこともわかります。
 しかし、殺人鬼を社会に野放しにして、
 それによって生きられたであろう人生を
 突然、恐怖と苦痛の中で終了させられた
 被害者の人たちの人権を考えると、
 運が悪かったで済む問題ではないと思います。
 この男や羊たちの沈黙のレクター博士のような罪もない人たちの人権を踏みにじる殺人鬼は、
 死刑がダメなら、終身刑で
 一生塀の中から出てこられないようにするのが、
 ひいてはより多くの人たちの
 人権を守ることになると思うのですが、
 いかがでしょうか。
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