第1480回
貪欲に外国語を練習する中国人

私が住んでいるアパートメントには、
クラブハウスにプールとサウナがあります。

私は毎週末、プールで泳いだ後に
サウナで汗を流しているのですが、
最近、毎週のようにサウナで顔を合わせる
中国人のおじさんと言葉を交わすようになりました。

おじさんはユニバーシティをグラデュエイトしてから、
ずっとステートオウンのオイルカンパニーで
オイルビジネスをしてきたのだそうです。
日本にはビジネストリップで何回か行ったことがありますが、
2年前、初めてワイフと一緒に
プライベートで旅行してきた、とのことです。

おじさんの発言が、
なぜルー大柴のように英語交じりなのかというと、
おじさんと私の会話は全て英語で行われているからです。
当初「私は日本人ですが、中国語、話せますよ」
と言って中国語で話かけていたのですが、
いくら中国語で話しかけても、
おじさんはかたくなに英語で返してきますので、
途中から面倒になって私も英語で話すことにしました。

このオイルビジネスのおじさんに限らず、
北京には外国語を話したい中国の人たちがたくさんいます。

大使館街が近く外国人が多い
北京の繁華街・三里屯(さんりとん)のカフェなどに行くと、
外国人を捕まえては英語で話しかける
中国人の人をよく見ることがあります。
最初は、モノでも売りつけようとしているのかと思ったのですが、
よくよく聞いていると中国人の人は
単純に英語の練習をしたいだけのようです。

また、中国の大学には授業が終わった後に、
留学生である外国人の学生と中国人の学生がペアを組んで、
お互いの言語を練習し合う、
互相学習(ふーしゃんしゅえしー、相互学習)
というシステムがあるようです。
これならば、語学学校に高い授業料を払わなくても、
タダで語学の勉強ができますので、
お互いにメリットがあるのですが、
ある日本人留学生曰く
「ほとんどの時間日本語で会話させられて、
全然「互相」じゃない」というケースもあるようです。

貪欲に外国語を習得しようとする中国の人たち。
中国国内では外国語を使う機会がほとんどなく、
かと言って外国に留学に行く
おカネも持っていない中国の人たちが、
外国語を習得して国際的なビジネスを行い、
外国に雄飛するチャンスを手にするためには、
「恥ずかしい」などとは言っていられないのでしょう。

中国の人たちは、一般的に日本人より
外国語習得の能力があると言われています。
しかし、こうした貪欲に学習する中国の人たちを見ていると、
実はそれは語学習得能力の差なのではなく、
「語学習得に対する貪欲さと努力の差」なのではないか、
とも思えてきます。





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2012年3月28日(水)

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