第1478回
上海にぼったくりニセタクシー出没!
先日、中国でぼったくりが社会問題となっている、
というお話をしましたが、またぼったくりが発生、
しかも、今回の被害者は日本人です。
その日本人男性は、日本人が多く住む
上海市の古北地区でタクシーに乗ったのですが、
わずか1.6kmの距離で
900元(1万1,700円)をだまし取られました。
男性は運賃精算の際に
プリペイド式の交通カードを運転手に渡したところ、
「使えない」と拒否されました。
そこで仕方なく100元(1,300円)札を出したのですが、
「これはニセ札だ」と6回にわたって突き返されました。
そして翌日、この男性は
別のタクシーに乗って精算しようとしたところ、
300元(3,900円)余りあった
交通カードの残高は0.5元(6.5円)に、
財布の中の6枚の100元札も全て同じ番号のニセ札に
すり替えられていたことがわかりました。
男性は早速、前日乗ったタクシーの運転手からもらった
領収書を基にタクシー会社に電話をしたのですが、
領収書にあったナンバーのタクシーは
2010年に既に廃車済みであり、
乗ったタクシー自体もホンモノそっくりに偽装した
ニセモノであることが判明しました。
ホンモノそっくりのニセタクシーを作って、
男性の目の前で交通カードからお金を抜き取り、
目の前で6枚もの100元札をニセ札にすり替える。
おまえは手品師かっ!
北京にも上海にもメーターを速く進むように細工して、
数元(数十円)をかすめ取る
ちんけなぼったくりタクシーはたくさんあるのですが、
タクシーという舞台まで全てニセモノという、
ここまで大掛かりなぼったくりの話は初めて聞きました。
ここまで完璧にやられてしまっては、
私もだまされない自信がありません。
一方で、車両の購入、ホンモノそっくりの塗装、内装、
タクシーメーター、領収書発行器の設置、
交通カードからお金を抜き取る機械の設置、
ニセ100元札の準備、
お客の目の前でお札をすり替えるための練習、などなど、
運転手は犯行に及ぶ前に、
かなりのカネと時間と労力をかけていると思われるのですが、
全てが完璧にうまくいっても900元しか収入がなくて、
果たして元が取れるのでしょうか。
このぼったくりニセタクシーの運転手に限らず、
中国にはすばらしい能力を持っているのに、
その能力をニセモノを作ったり、人をだましたりという
間違った方向に発揮してしまっている人がたくさんいます。
その手品師のような能力、
もっとまっとうな仕事に利用したら、
警察に捕まるリスクに怯えながら
ぼったくりタクシーをやっているより、
ずっと心安らかに、
且つたくさん稼げるような気がするのですが、
どうなのでしょうか。
|