第1464回
中国って「歩行者優先」だったの!?
「信号機がない横断歩道や交差点で
歩行者が歩いていても、そのまま直進してよい」
○か×か?
先日、中国で運転免許を取ろうとして
問題集を買って勉強している日本人の友人が、
こんな問題を見つけた、と教えてくれました。
彼は自信を持って○と書いたのですが、
答えは×だったのだそうです。
日本の運転免許試験なら私も迷わず×と書きますが、
中国で生活しているとこの問題の答えは
どう考えても○としか思えません。
なぜなら、中国では車が
歩行者の前にどんどん突っ込んできますし、
その場に警察官がいても
取り締まる素振りも見せないからです。
このため、私は道を渡るときにはいつも
車が突っ込んでこないか気を付けながら歩いています。
信号機のない横断歩道や交差点はもちろん、
信号機があって歩行者用の信号が青でも油断はできません。
中国の交差点は信号が青でも
車が四方八方から突っ込んできますので、
日本で青信号を渡るときのように安心して歩いていたら
命がいくつあっても足りないのです。
こんな状況ですので、
私は中国はてっきり「自動車優先」という
ルールになっているのかと思っていたのですが、
2004年に制定された中華人民共和国道路交通安全法には、
はっきりと「歩行者優先」が謳われているのだそうです。
しかし、逆に言えばほんの8年前までは、
中国の交通ルールは「歩行者優先」ではなかった、
ということですので、
ドライバーの間に「歩行者優先」という意識が行きわたり、
日本のように常識になるまでには、
まだ長い時間がかかるのかもしれません。
そんなカオスでサバイバルな状況の中、
先日、広東省深セン市は
「深セン経済特区道路交通安全管理条例」を施行、
その中で、信号機のない横断歩道や交差点で
ドライバーが歩行者を優先しなかった場合、及び、
歩行者がいる横断歩道を通過する際に
減速又は停止しなかった場合、
最高500元(6,000円)の罰金を科すことを定めました。
同市の交通警察は、
全市で115の取り締まりチームを立ち上げると同時に、
警察官がいない場所でも映像監視システムを導入して、
「歩行者優先」のルールを守らないドライバーを
徹底的に取り締まるのだそうです。
中国の自動車1万台あたりの交通事故死亡者数は、
日本の6倍と言われています。
遅すぎると言えば遅すぎるのですが、
中国政府におかれては、
この深セン市の取り組みを早急に全国に普及させて、
徹底的な取り締まりにより
「歩行者優先」の意識をドライバーに浸透させるか、
もしくは、歩行者を感知したら自動的に止まる車しか
売ってはいけないことにして頂きたいものだと思います。
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