第1405回
「中国の若者はなぜ1年で辞めるのか?」
中国で流行する新入社員の「電撃退職」。
中国では今、大学卒の新入社員のうち約30%は
1年以内に退職してしまうのだそうです。
日本でも新入社員のうち
3割が3年以内に退職してしまうようで、
「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本が
ベストセラーになりましたが、
中国の場合はたったの1年です。
あまりにもガマンがなさすぎます。
では、「中国の若者はなぜ1年で辞めるのか?」。
それは辞めても食うのには困らないからだと思われます。
大卒者の就職戦線が日本をはるかに凌ぐ
超氷河期に見舞われている現在の中国では、
普通に考えれば一度就職した会社には、
どんなにイヤなことがあっても残りたいと思うはずです。
なぜなら、辞めてしまえば、大量の就職難民と一緒に
また就職戦線で戦わなければならないからです。
しかし、そんな状況の中でも
いとも簡単に就職した会社を辞めてしまう、ということは、
「親が金持ちだから、
イヤな思いまでして働かなくてもいいもんね〜」
ということだと思われます。
今後、こうした「親のスネかじりニート」が
増えていくとなると、中国の将来が思いやられます。
国や人は危機によって鍛えられ、
その危機を乗り越えた後に大きく飛躍します。
戦後の日本、アジア金融危機の後の韓国、
そして、中国も貧しかった時代に
辛酸をなめた人たちの努力によって
今の発展を実現させてきました。
しかし、時代は流れ、
これから社会人になるのはみんな、
生まれたときからすでに豊かだった人たちです。
苦労知らずの改革開放第二世代。
国家の衰退というものは、
こんな誰も気付かないようなところから、
じわりじわりと始まっていくものなのかもしれません。
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