第1336回
中国を震源地とする世界的人本主義化の波
今後、労働力人口がほとんど増えないのに、
7%成長を続けて増加する高齢者を
養っていかなければならない中国。
そのためには、国内の産業を高付加価値化して、
労働力人口1人当たりが稼ぐ金額を引き上げる必要があるため、
高い付加価値を生み出せる高級人材が
大量に必要になってくることが予想されます。
先日、日本のヘッドハンティング会社の方が
当社にいらっしゃったのですが、
「本当にすばらしいタイミングでいらっしゃいました」
というお話をさせて頂きました。
なぜなら、今後中国では高い付加価値を生み出せる
高級人材の争奪戦が始まり、
そこでは今まで日本で培ってきた
ヘッドハンティングの理念やノウハウが
存分に生かせると思われるからです。
今年から始まった
第12次5カ年計画(2011-2015年)の期間中に、中国は
資本をたくさん持っている企業が勝つ「資本主義国家」から、
優秀な人材をたくさん持っている企業が勝つ「人本主義国家」に
変貌を遂げるのではないかと思います。
しかし、中国の高級人材不足は
中国国内だけに限った話ではありません。
中国企業は国内だけでは供給が足りない高級人材を海外に求め、
世界は中国を震源地とする高級人材の争奪戦に
突入することが予想されます。
そうなると日本企業も無関係ではいられません。
世界の人本主義化の波に取り残されずに、
競争力を保ち続けるには、
採用の対象を日本人に限ること自体がナンセンスとなるでしょう。
世界中から優秀な人材を集めて一緒に仕事をするためには、
当然、英語を社内の公用語にする必要があります。
現在、日本でも一部の先進的な企業が
「採用の国際化」、「英語の社内公用語化」を始めていますが、
今後は全ての日本企業がそうした取り組みをしないと、
優秀な人材を確保して競争力を保ち続けることは
できないのではないかと思います。
そして、優秀な人材を集めるためには、
どこの国の人であろうとも
「同一付加価値、同一報酬」の原則を貫いて、
人事制度を一本化することは必須です。
中国に進出している多くの日本企業のように
「中国は生活費が日本より安いから、
現地採用の中国人の給料は、
同じ仕事をしている本社の日本人の1/4」
というようなことをしていては、
優秀な人材を採用することは
絶対にできないのではないか、と私は思います。
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