第1015回
倉庫業、10ヶ月を経てようやく起動!
昨年5月に北京の東五環路の外側にある
8300平方メートルの空き工場を改装して始めた倉庫業ですが、
10ヶ月が経過してようやくスペースが埋まり始めました。
予想していたこととは言え、倉庫業を始めたとたんに
オリンピック・パラリンピックの交通規制で
北京市の貨物輸送はほとんどマヒしてしまいました。
貨物輸送がマヒしている時に
新たに倉庫を借りる人はいませんので、
せっかくきれいに改装した倉庫は
ガラ空きのまま時間ばかりが過ぎていきました。
そしてようやく9月にパラリンピックが終了し、
さぁこれからという時にリーマンショックを発端とした
世界的金融危機による中国の景気の減速が始まり、
北京の経済もスローダウン。
「業績伸びが速すぎて、倉庫が足りなくて困る」
というような会社はほとんどなくなってしまいました。
「開店休業で収入がなく、
おカネだけがどんどん流れ出ていく」
というこの胃が痛くなるようなイヤな感覚。
8年前に北京で起業して全く仕事がなかった時以降、
しばらく忘れていましたが、
今回、久しぶりに味わいました。
転機が訪れたのはある中国資本の製紙会社が
当社の倉庫を借りてくれたときでした。
その会社は社長がおしゃべりなのかわかりませんが、
「賃料がえらく安い倉庫がある」ということを
同業他社に言い回ってくれたらしいのです。
このため、その後何社もの製紙会社が
他社の倉庫から移ってきてくれて、
今では当社の倉庫のお客さんの大きな部分を
製紙会社が占めるようになりました。
何ともありがたいことです。
そこで調子に乗った私は、
製紙会社が倉庫に求めるサービスを充実させて、
「製紙業界専用倉庫」という切り口で
その他の製紙会社に売り込みを図るべく、
お客さんの製紙会社に
「製紙会社が倉庫に求めるサービスは何ですか?」
と訊いて回りました。
しかし、各製紙会社の答えはいずれも
「サービスはどうでもいい。
何しろ賃料が安い方がいい」という
身も蓋もないものでした。
これでは付加価値の付けようがありません。
しかしそうは言っても、
月150万円近い倉庫の家賃を払い続けていくためには、
利益率が低くても何しろまずはお客さんに借りてもらって、
おカネを回していかなければなりません。
当面、この倉庫が全て埋まるまでは
安売りでも何でもやって他の中国系の倉庫会社と
価格競争で真っ向から勝負をするしかないようです。
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