第865回
ニッポン人中国出稼ぎ論

経済のグローバル化の進展とITの進歩によって、
日本ではブルーカラーだけでなく、ホワイトカラーの人も
人件費の安い国の人たちと
同じ土俵に立って闘うことを余儀なくされつつあります。

500円のランチを食べている人が
50円のランチを食べている人と同じ土俵で闘うわけですから、
普通に闘ったら勝ち目はありません。

選択肢は2つ。

500円のランチに見合う付加価値を生み出す仕事をするか、
50円のランチで我慢するかです。

日本に住んでいてランチの予算が50円では、
おなかが空いてしまいますので、
目指すべき方向は500円のランチに見合う
付加価値の高い仕事をすることです。

では、どんな仕事が付加価値が高いのか、というと、
簡単に言えば「他の国の人にはマネのできない仕事」です。
毎日50円のランチを食べている中国の人たちに
マネのできないことができて初めて、
日本人は500円のランチを食べることができるのです。

ただ、中国の人たちにマネのできないこと、
というのは、最近、どんどん少なくなっています。
中国も人海戦術でコストの安いものを大量に作る、
という「世界の工場」を卒業し、
付加価値の高い製品を自主開発する路線に
軸足を移していますので、
今後、中国製品が
日本企業が得意としている高級品マーケットに
どんどん入ってくることが予想されます。

日本製と同じ性能の製品、
または、同じレベルのサービスを
日本製より安い値段で売りに出されたら、
私たち日本人はグローバルマーケットの中で
生き残っていけるのか。

なんだか、閉塞感が漂う、いやーな話題ですが、
ご心配には及びません。

私が見る限り、日本人の特長であり、
付加価値の源泉でもある
「サービス精神」、「完璧主義」、「生真面目さ」などは、
当分の間、中国の人たちにマネされることはありません。

付加価値の低いところで価格競争をしていたら、
日本は中国に攻められっぱなしで
防戦一方となってしまいますが、
こうした中国の人たちにはマネのできない
日本人の特徴を生かしたモノやサービスを武器にすれば、
「地球上に残された最大且つ最後の巨大市場」になりつつある
中国マーケットという本丸に、
私たち日本人が攻め込んでいくことも可能だと思います。

こうした現状を鑑みるに、
今こそ、私たちニッポン人は重い腰を上げて、
もっと中国に出稼ぎに来て、
ニッポン人の特長を存分に発揮するべきなのではないか、
と私は思うのです。


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2008年4月30日(水)

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