第864回
「成金お断わり!」

最近、中国では金持ちが明らかに増えています。
それは、かなりのお値段を取る高級レストランに行っても、
中国人のお客さんでいっぱいであることからもわかります。

それはそれで大変喜ばしいことなのですが、
問題なのは一部の成金が高級レストランにも関わらず、
酔っ払って大声を上げたり、ワインで乾杯合戦を始めたり、
連れて来た子供が店内でおにごっこをしているのに
そのままやらせていたり、という事態が発生していることです。
「カネならいくらでも払うぞ!文句あっか?」
と言わんばかりの狼藉ぶりです。

店側も「他のお客様のご迷惑になりますのでお止めください」
と注意してくれれば良いのですが、
成金に逆ギレされて
もっと大変な事態になってしまうことを恐れてか、
見て見ぬフリをしてしまうお店がほとんどです。

お店としては「成金お断わり!」という看板を
入り口に下げておきたいところでしょうが、
ついこの間まで社会主義国だったここ中国では、
金持ちは全員成金ですので、
そんなことをしたら商売あがったりになってしまいます。

今の中国は、カネさえあれば何をしても許される、
超資本主義国家になりつつあるのです。

しかし、そうした世の中の流れに
抵抗を試みるような動きもあります。

北京のいくつかの欧米系レストランでは、
「成金お断わり!」という看板を入り口に下げる代わりに、
英語を「成金除け」に使っている節があります。

そうしたレストランは、メニューもオーダーも全て英語。
あるレストランなどは、こちらが中国人ウエイトレスに
中国語で話しかけても英語で返事をされる、という徹底ぶりです。
これでは英語がわからない成金は、
きっと居心地が悪いに違いありません。

他にも、予約の無いお客は入れない、とか、
ドレスコードを設ける、などの
「成金除け」をしているレストランもあります。

日本でも高級店では「一見さんお断わり」ということで、
カネは持っているけれどお行儀の悪い成金を排除して、
常連さんに安心して来てもらおう、
というお店が多いと聞きます。

カネさえあれば何でもできる超資本主義国家・中国。
しかし今後はそんな中国にも
「お行儀の悪い成金がいくらおカネを払っても入れない場所」が
もっとできて良いのではないか、と私は思います。


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2008年4月28日(月)

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