第841回
「店員をヒマにさせない」
ひどいサービスを提供する外資系のチェーン店が多い中、
唯一、「教育も管理もしっかりしているな」と思わせるのは、
やはり、麦当労(まいだんらお、マクドナルド)です。
「マニュアルがしっかりしている」、
「マネージャーが常に目を光らせている」など、
いろいろな理由はあると思うのですが、
最大のポイントは「店員をヒマにさせない」
ということなのではないかと思います。
以前、お話ししたように、私は大学生の頃、
日本のマクドナルドでアルバイトをしていたのですが、
マクドナルドはアルバイトを絶対ヒマにさせません。
まず、マネージャーがアルバイトのシフトを組む時に、
その時間時間のお客さんの数を予想して、
必要最低限の人数しかシフトに入れません。
更に、予想外にお客さんが少なかった場合は、
店内のクレンリネス(清潔さ)を保つため、
ダスターと呼ばれる布巾であらゆるところを
拭き掃除しなければならないことになっています。
このため、他の仕事のアルバイトだと
何もしていない時間というのが必ずあるのですが、
マクドナルドでアルバイトをすると
シフトに入っている時間は働きっぱなしですので、
おしゃべりなどしているヒマはありません。
多分、このやり方は中国の麦当労でも同じであり、
麦当労の店員は忙しくて
おしゃべりなどしているヒマはないのでしょう。
一方の他の外資系チェーン店は、仕事が少ないにも関わらず、
やたらとたくさんの店員をシフトに入れます。
その結果、ヒマな店員が発生してしまい、
店員同士のおしゃべりの合間に接客する、というような、
だらけた雰囲気になってしまうのです。
更に、私が働くとしたら同じ給料なら
忙しいよりヒマな仕事の方が良い、と思うのですが、
中国の人たちの多くはそうは思わないようで、
ヒマな仕事=つまらない、と考えるようです。
当社でも以前「仕事がヒマでつまらないので辞めます」
という社員が出てビックリしたことがあります。
必要以上の人数を働かせると、
サービスレベルの低下、職場の雰囲気の弛緩、
人件費の上昇、人材定着率の低下などなど、
様々な良くないことが起こります。
中国では店員は絶対にヒマにさせてはいけないのです。
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