第495回
携帯電話はその人の「格」を象徴する
中国の携帯電話保有者は、
3億人を超えたと言われています。
携帯電話を持っている、ということは、
携帯電話を買うお金を持っており、
且つ、固定電話より高い通話料金を払っている、
ということですから、
ある程度以上の購買力を持っている、
ということを意味します。
13億人のうちの3億人、ということは約20%ですから、
中国の金持ち上位20%にターゲットを絞って広告を打つのには
絶好のメディアです。
今後、携帯電話技術の進化とともに、
中産階級以上の層をターゲットとする商品の
広告メディアとして注目されていくのではないでしょうか。
さて、中国の携帯電話販売台数は、
2004年が7,300万台、
2005年は8,800万台まで増加することが予想されています。
このペースでいくと、
10年も待たずに中国人民13億人全員が
携帯電話を持つ日が来るのではないか、
と思われるかもしれませんが、さにあらず。
それだけの数の携帯電話が新たに販売されている一方で、
年間約7,000万台もの古い携帯電話が
廃棄されているそうです。
毎年、これだけの古い携帯電話が廃棄されている背景には、
中国の人たちのメンツにこだわる考え方があるようです。
調査会社の調査結果によれば、
現在、携帯電話を保有している人の60%が
買い換えを検討しているとのことです。
買い換えの頻度は、20%の人が1年未満、
25%の人が1-2年に1度と回答しています。
携帯電話の耐用年数から考えれば、
まだまだ使える携帯電話が
大量に捨てられている、ということです。
なんてもったいない...。
買い換える理由は、「壊れた」のほかに、
「気に入らない」、「写真が撮れない」、「型が古くなった」、
「古い携帯電話を持っているとメンツが立たない」
などだそうです。
中には、「同僚にうらやましがられる」という理由で、
既に携帯電話を2台も持っているにもかかわらず、
5,000元(75,000円)もする最新機種を買った、
なんていう人もいました。
新しく買ってもらったふで箱を
学校で自慢したい小学生か、あんたは!
中国における携帯電話は、
もはや単なる通話の道具ではなく、
その人の「格」を象徴するものに
なりつつあるようです。
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