第449回
「難癖をつけてくるお役人」
まず、「難癖をつけてくるお役人」。
中国のお役人は、日本のお役人とは
くらべものにならないほど横柄です。
中国政府が入っている中南海を初めとして、
中国のお役所には必ず
「為人民服務(うぇいれんみんふーうー、
人民の為にサービスする)」と
大きく書かれてあるのですが、
働いている人たちは、どう見ても
そういう風に考えているとは思えません。
中国で起業した場合、お付き合いが深いお役所は、
「工商行政管理局(工商局)」と「税務局」です。
「工商局」は、企業が、登記内容通りに、
正しく会社を運営しているかどうかを管理するお役所であり、
「税務局」は文字通り、税金を徴収するお役所です。
私は、起業直後、突然、「工商局」のお役人に
ドカドカとオフィスに踏み込まれて、
非常に怖い思いをしました。
「工商局」のお役人たちは、何の予告もなく
5-6人でドカドカとオフィスに入ってきて、
無言で会議室にどっか、と腰を下ろすなり、
リーダー格のブルドッグ顔が
「おら!おのれらの法人代表出せや!
(そういう風に聞こえた)」と
ドスの利いた声でほえました。
その後もブルドッグは、
「おのれらのシマはどこじゃ!」、
「おのれらのシノギはなんじゃ!」、
(これもそういう風に聞こえた)など、
威圧的な態度で、いろいろと
重箱の隅をつつくような質問をし、
細かいことに難癖をつけようとします。
やましいことは何一つしていないのですが、
それでもとっても怖かったです。
その日は何とかお引取りを頂きましたが、
お役人が本気になって難癖をつければ、
零細企業の1つや2つ潰すのは、造作もないことである、
ということがよーくわかりました。
逆に、お役人とお友達になると、
彼らの態度は一変します。
「こんどこういう法律ができたから、
気をつけた方がいいよー」とか、
「他の役所が難癖つけてきたら、
僕に言ってねー」とか、
ものすごくよくしてくれるようになります。
ここでも中国の人たちの行動原理である
「身内と身外では態度が全然違うの法則」が
生きています。
中国のお役人は、敵に回すと怖いですが、
一度、身内になってしまえば、
心強い味方になってくれるのです。
お役人とお友達になる、なんて仕事は、
日本人にはできませんし、
できたとしても、偉くもなんともありません。
こういうお仕事は、
中国人同士の「あ、うん」の呼吸に任せて、
日本人は、日本人にしかできない仕事に
注力すべきなのではないか、と思います。
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