第448回
中国起業の「落とし穴」
会社を立ち上げたら、あとは、ひたすら、
自分の運を信じて、必死になって働くだけです。
こう言ったら身も蓋もないですが、
やっぱり商売は「運次第」だと思います。
運がよければ、何もしなくても
大きなチャンスが向こうからやってきますし、
運が悪ければ、何をやってもうまくいきません。
中国の老板(らおばん、オーナー経営者)たちが、
オフィスの風水に異常にこだわったり、
車のナンバーや携帯電話の番号に8を入れるために、
大金をはたいたりする気持ち、
今の私には、よーくわかります。
ただ、「運を呼び寄せるのも、遠ざけるのも、
普段の心がけ次第」というのもまた真だと思います。
商売は「運次第」ではありますが、
「運任せ」ではいけないのです。
さて、中国で起業して必死になって働いていると、
思わぬ「落とし穴」に落ちてしまうことがあります。
それらの「落とし穴」は、
日本では考えられないようなところに
掘られていることが多いため、
私たち日本人は、
細心の注意を払っているにも関わらず、
落ちてしまうことがままあります。
創業期のただでさえ忙しい時に、
「穴から這い上がる」なんていう
非生産的な作業にかかずらわっているだけで、
気が狂いそうになりますし、
落ちた穴が深かった場合、
二度と這い上がって来られない、という
恐ろしい結末を迎える可能性もあります。
マーケットが成熟しきった日本で起業するよりも、
マーケットが未成熟、且つ、
ものすごい勢いで拡大している中国で起業した方が、
成功の確率が高いのではないか、
というお話を以前しましたが、それはあくまでも
「落とし穴に落ちなければ」という前提の下での話です。
いくら広がり続ける未開拓のマーケットが
目の前に広がっていても、
落とし穴に落ちてもがいていては、
マーケットを開拓するどころではなくなってしまいます。
中国起業にはさまざまな落とし穴が待ち受けていますが、
私たち日本人が陥りやすいのは、
「難癖をつけてくるお役人」、
「お金はあるのに代金を払わない中国企業」、
「自分が優秀だと勘違いしている従業員」、
これら3つの落とし穴ではないでしょうか。
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