第437回
北京で働きたい日本人がたくさんいるわけ

日本人が北京で就職するのは大変です。
それは、北京で働きたい日本人がたくさんいる一方で、
日本人に対する需要は非常に少ないからです。

北京には毎年、たくさんの日本人が
中国語を勉強する為に留学してきます。
どうせ、中国語を勉強するなら、
正しい中国語を身に付けたい、と誰もが考えますので、
学校の中はもちろん、学校の外でも、
中国人の人たちが
普通話(ぷーとんほあ、標準語)とほとんど変わらない、
北京語を話している北京に
留学する人が多くなるのです。

もちろん、上海の学校でも
学校の中では正しい普通話を教えてくれますが、
一歩外に出ると、上海の人たちが話しているのは
普通話とは全く違う上海語ですし、
気を使って話してくれる普通話も
南方訛りが入っていますので、
訛った中国語が身に付いてしまう可能性が
大きくなってしまうのです。

そうやって、北京に留学した人たちは、
北京があまりに魅力的な街なので、
皆さん、卒業後も北京に住み続けたい
と思う様になります。

中国語が話せない
日本企業の駐在員が駐在するのなら、
日本人にやさしい街・上海の方が
暮らしやすいと思うのですが、
中国に留学しに来る人たちは、
中国が好きで来ていますので、
「中国以上、日本以下」の上海よりは、
「街全体がコテコテの中国っ!」という感じの
北京の方が好きなのでしょう。

その気持ち、「北京派」の私には、
よーくわかります。

ただ、北京に住み続けたい、と思っても、
何もしないで北京に留まる事はできません。
北京に住み続けるには、
就職して居留許可証を取る必要があります。
もちろん、留学を続けて
留学生ビザを取っても良いのですが、
金銭的にも、人生的にも、
ずっと留学をしている訳にもいきません。

となると、
北京で就職活動をする必要が出てくる訳ですが、
北京は上海周辺や華南地域に比べて、
工場が少ないせいか、
日本人に対する求人は限られます。

日本人を募集している会社は、
ホテル、航空会社、旅行会社、日本料理屋、引越会社など、
いずれも日本人や日系企業に対して
サービスを提供している会社ばかりなのです。


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