第411回
「結婚式先進国」ニッポン

北京の結婚式費用は、
平均で2万元(30万円)ですが、
上海では、その倍の
4万元(60万円)にも達しているそうです。
更に、上海の結婚式費用は、今後も上昇を続け、
5年後には現在の倍の
8万元(120万円)前後になると予想されています。

さすが上海、
結婚式費用の「インフレ」でも、
北京より何歩も進んでいます。

「結婚式先進国」である日本の企業が、
こんなおいしいマーケットを
指をくわえて見ている訳がありません。

昨年11月、日本の結婚式運営大手、ワタベウェディングが
上海に現地法人を設立しました。
同社は当初、日本からの
海外挙式カップルの結婚式を主に手掛けるそうですが、
地元上海のカップル向けにも、
結婚式サービスを提供するそうです。
お値段は日本式の挙式演出を含めた結婚式一式が、
120万円との事です。

120万円というと約8万元ですので、
今の結婚式費用の平均からいくと倍の値段、
という事になってしまいますが、
このまま上海の結婚式費用の「インフレ」が続けば、
5年後には、相場の方が追いついて来るはずです。

日本は少子化及び晩婚化の影響で、
今後、結婚式マーケットはどんどん縮小していきます。
私のおじも以前は結婚式場を経営していましたが、
「結婚式は波があるし、今後どんどん減っていくが、
葬式は安定しているし、今後どんどん増える」
という非常に現実的な理由で、
葬儀屋に商売替えをしました。

一方の中国も、一人っ子政策の影響で、
今後も子供の数の増加は見込めませんが、
人口の母数が大きい事、
結婚式費用の「インフレ」が今後も続いていくであろう事、
国内の結婚式業界がまだ未成熟であり、
「結婚式先進国」である日本のノウハウが生かせる事、
などを考え合わせると、
日本企業にとって中国の結婚式マーケットは、
今後、非常に魅力的なマーケットに
なっていく事が予想されます。

ハウスウェディングやレストランウェディングなど、
日本の結婚式業界も、まだまだ工夫次第では、
大きく稼げる余地も残っている様ですが、
縮んでいくマーケットの中で、
熾烈なシェア争いを繰り広げなければならない事には
変わりはありません。

そんな中で、限られたパイの取り合いをするよりは、
中国に新たなマーケットを求めるか、
さもなくば、私のおじの様に、
葬儀屋に商売替えをするのが
賢い選択なのではないでしょうか。


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