第412回
「これとおんなじものを作ってちょうだい」
当社は先日、オフィスの引越をしました。
引越といっても、隣のアメリカ企業が出て行ったので、
そこに移っただけです。
元々のオフィスは50m2あり、
開業当初は私と社員1人でしたので、
広すぎるぐらいだったのですが、
最近は、社員が10人にもなり、
手狭になっていましたので、
ちょうど良い機会でした。
新しいオフィスは75m2、
元のオフィスの1.5倍です。
部屋番号も、ビル側の計らいで、
そのまま「919号室」を使える事になりました。
さて、オフィスの引越自体は、
自社の引越部隊を使えば良いので問題はないのですが、
その前に新しいオフィスの内装をしなければなりません。
「中国の内装業者にクリエイティビティ−(創造性)は
期待できない」という事は以前から分かっていましたので、
オフィスのレイアウトは全て自分たちで決め、
デザインは、前から「素敵だな」と思っていた
知り合いの会社のオフィスに内装業者を連れて行き、
「これとおんなじものを作ってちょうだい」
という形で発注しました。
そして約1ヶ月後、
こんな感じのオフィスができあがりました。
向こう側に見える、
ガラス張りに開閉式のブラインドを付けた会議室は、
知り合いの会社の会議室と全く同じデザインのものです。
中国の内装業者は、
クリエイティビティ−がありませんので、
1からオフィスをデザインしたり、
レイアウトを決めたりするのは大の苦手なのですが、
「これと同じものを作って欲しい」という形で発注すれば、
結構、きちんとしたものを作ってくれます。
これは中国の製造業も同じです。
自社ブランドでデザインの良い製品を作るのは
大の苦手なのですが、
デザインの良い海外ブランド品と
瓜二つのニセモノを作るのは、大得意なのです。
最近は、中国の製造業も力を付けてきて、
自動車や携帯電話も中国ブランドの製品が増えてきました。
しかし、モノを作る力が付いてきても、
独創的なデザインの製品を作るには、
まだまだ年季が足りない様で、
よく海外のメーカーに、
「うちの製品のデザインと酷似している」という事で、
訴訟を起こされたりしています。
海外の先進的なデザインと中国の安く作る実力。
両者が争うのではなく、お互いの得意な所を生かし、
更に大きな付加価値を創造していって欲しいものです。
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