第401回
「歓迎光臨、麦当労」
中国の麦当労(まいだんらお、マクドナルド)に行くと、
カウンターで接客しているのは、
ほとんどがおばさんです。
日本のマクドナルドでは、だいたい、
高校生や大学生の女の子が、
満面の笑顔で注文を取ってくれるのですが、
中国の高校生や大学生は、
毎日、大量の宿題が出るので、
アルバイトどころではない様です。
で、このおばさんたち。
一部例外はありますが、
笑顔の「え」の字もありません。
一応「歓迎光臨、麦当労
(ほぁんいんぐぁんりん、まいだんらお、
いらっしゃいませ、マクドナルドにようこそ)」
とは言うのですが、
いかにも「言わされている」という感じで、
全く心がこもっていません。
「店長が「言わないとクビだ!」
っていうから言ってるだけで、
別に、あんたを歓迎してる訳じゃないのよ!
忙しいんだから、早く注文しなさいよ!」
と言いたげな態度です。
これは麦当労に限った話ではなく、
吉野家(じーいぇじゃー、吉野家)とか、
星巴克(しんばーかー、スターバックス)とか、
マニュアルのある全ての飲食チェーンに言える事です。
ただ、これでも、中国のサービスは、
以前に比べれば、飛躍的に良くなっています。
お客さんが入って来ても無視して、
従業員同士でおしゃべりしていたり、
注文が聞き取れないと「あ〜〜?」と聞き返したり、
おつりを投げてよこしたり。
こういう昔ながらの「中国式服務」に比べれば、
「いらっしゃいませ」と言ってもらえるだけでも、
感動的な進歩です。
しかし、日本のマクドナルドの様な、
「時給700円なのに、
そんな心からの笑顔を安売りしていいのか!」的な
全身全霊を込めた「日本式サービス」が定着するまでには、
まだまだ時間がかかりそうです。
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