第393回
「海亀派」
早稲田大学の同窓会組織は「稲門会」と呼ばれています。
この「稲門会」、日本全国各地にとどまらず、
世界中、早稲田大学の卒業生が多い所には、
どこにでもあります。
北京にもご多分に漏れず、
「北京稲門会」という組織があります。
「北京稲門会」は現在会員数約200名、
北京では最大規模の同窓会組織です。
活動は、と言えば、懇親会、ゴルフなど、
他の「稲門会」と変わらないと思うのですが、
「北京稲門会」の最大の特徴は、
早稲田大学に留学した中国人の卒業生が、
会員の約1/3を占めている事です。
中国では、海外に留学し、研究や仕事の経験を経て、
中国に帰国した人の事を、
「海亀派(はいぐいぱい)」と呼びます。
以前は「海外帰国組」という事で、
「海帰派(はいぐいぱい)」と書いていた様ですが、
現在は、産卵の為に
故郷の砂浜に帰ってくる海亀になぞらえて、
発音が全く同じ
「海亀(はいぐい)」という漢字が使われています。
従来、海外に留学した中国の人たちの多くは、
卒業するとそのまま、給料の高い海外企業に就職し、
中国に帰ってきませんので、
中国では優秀な人材の流出が大きな問題となっていました。
こうした状況を憂慮した中国政府は、
「海亀派」を貴重な人材として優遇する、
という政策を打ち出しましたので、
最近は多くの「海亀」たちが
中国に帰ってくる様になりました。
彼らは、海外で学んだ専門知識や先端技術を活かして、
ベンチャー企業を興したり、
政府機関の若手幹部として活躍したりして、
今日の中国の経済発展に重要な役割を果たしてきました。
「北京稲門会」には、
こうした「海亀」たちがたくさん参加しています。
私たち、北京でビジネスをする日本人にとって、
様々な業界で活躍する優秀な「海亀」たちとのネットワークは、
大変貴重な財産なのです。
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