第364回
4億人の老人

少子高齢化問題は何も日本だけの問題ではありません。
「一人っ子政策」を続ける中国も、
当然、少子高齢化問題を抱えています。

現在、中国の60歳以上の人口は10%程度ですが、
今世紀半ばには25%以上、
数にして4億人以上になると見られています。
4億人の老人ですよ、4億人!

4億人の老人が
いっせいにご飯を食べている姿を想像するだけでも、
中国が今後、経済成長を持続して、
大量の食糧と富を
蓄積しておかなければならない事がよく分かります。

実際、今、中国では、
「未富先老(うぇいふーしぇんらお、
豊かになる前に高齢化する)」が
深刻な問題として捉えられています。

中国が経済成長で豊かになり、
十分な食糧と富を蓄積する前に、
高齢化社会を迎えてしまい、
国家の庇護を十分に受けられない老人たちが
大量に餓死する、
という様な社会の到来に対する恐怖です。

かといって、中国が日本の様に、
「今後、高齢化が進んで、働く人が足りなくなるので、
「一人っ子政策」はやめにして、
毛主席の「人口資本論」に基づいた
「多産奨励政策」に切り替えます」
なんて事をしたら、
中国の人口が爆発的に増加して、
地球の行く末が危ぶまれる様な事態になりかねません。

今後、中国政府は、
人口の抑制と高齢化社会への対応、
という矛盾する政策を
両立させていかなければなりません。

その為には、今後も経済成長を持続し、
来るべき高齢化社会に備えて、
早急に大量の食糧と富を蓄積する事が不可欠なのです。


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