| 第363回「産めや増やせや」
 ただ、今、日本の少子化で問題となっているのは、34世紀に日本人がいなくなる事ではなくて、
 もっとずっと近い将来に、
 働けない老人を支える若い労働力が足りなくなる、
 という事です。
 現在、日本では、3.5人の現役世代が1人の老人を養っている、
 と言われています。
 これが、少子高齢化が進む事により、
 2030年には2人の現役で1人の老人を、
 2050年には1.5人の現役で1人の老人を
 養わなければならない、と試算されています。
 こうなると、現役世代に対する負担がどんどん大きくなって、年金制度や健康保険制度が破綻してしまうので、
 日本政府は「エンゼルプラン」などの施策で
 女性が子供を産みやすい環境を整え、
 出生率の減少を食い止めようとしている、
 というのが日本の人口問題の現状です。
 しかし、必死になって人口の抑制に取り組んでいる中国政府を間近に見ていると、
 やはり、私には
 「人口は少なければ少ないほど良いのではないか」
 と思えてしまいます。
 マルサスは「人口論」で、「人口は幾何級数的に増加するが、
 食糧は算術級数的にしか増加しない」
 と言っています。
 やはり、人口が少ない方が、
 限られた地球の食糧や資源を
 より多く分配する事ができますので、
 1人1人が豊かな生活を送れる様な気がします。
 日本の「少子化問題」は、「日本」という1つの国を単位としてものを考えるので、
 「産めや増やせや」という発想になるのであって、
 地球レベルでものを考えれば、
 やはり、人口は
 抑制するに越した事はないのではないでしょうか。
 政府は国という単位で、ものごとを考える所ですので、仕方ない、と言えば、仕方ないのですが、
 地球の人口が60億人を超えて、更に増え続け、
 人口問題が世界的な問題になっている時に、
 「産めや増やせや」はないのではないか、と思うのです。
 いいじゃないですか、働く人が足りなければ、
 余っている所から来てもらえば...。
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