第318回
世界初の実用リニア

先日、上海に出張した際に、
遅ればせながら初めて、
リニアモーターカーに乗ってきました。

このリニアモーターカー、
浦東国際空港駅と浦東の龍陽駅の間の30kmを
7分20秒で走ります。
最高時速は430km/hにも及びます。

料金は普通席が片道50元(750円)、
VIP席が片道100元(1,500円)です。
浦東空港から上海市街までタクシーで行くと、
150元(2,250円)弱かかりますので、
1人出張の際に、普通席に乗れば、
龍陽駅から市街までのタクシー代を加えても、
リニアを利用した方が割安となります。

実際リニアに乗ってみて、正直、感動しました。
新幹線も早いと思っていたのですが、
430km/hとなると、新幹線とは別世界です。
感覚としては、飛行機で地上を走っている様な感じです。

並行する高速道路を走っている車も
100km/h以上のスピードを出していると思うのですが、
ほとんど止まって見えます。
そら、速度の差が300km/h以上あれば、
止まって見えますわな。

上海のリニアモーターカーは、
世界で初めての実用線である、との事です。
世界初の実用リニアを運転している人は、
どんな人なのかと思って、運転席を覗いてみた所、
430km/hも出てるのに、若い女の子が2人、
おかしを食べながら談笑してました。
世界初の実用リニアのパイロットとは思えない弛緩ぶりです。

ここ数年、北京〜上海間の高速鉄道の落札を狙って、
日本の新幹線を初めとするレール方式と、
ドイツのリニアがしのぎを削っていました。
先日、「運行上の問題が多い為、中国がリニアを断念」
という報道があり、今後は、レール方式で、
日本の新幹線とフランス、ドイツの高速鉄道が
受注合戦を続ける事となった様です。

なんでも世界一、世界初が大好きな中国の事ですので、
日本の「お古」である新幹線に甘んじるより、
いくらお金がかかっても
「1,000km以上の長距離実用リニアの導入を、
 世界で初めて成功させた」
という名誉を買うのではないかと思っていたのですが、
やはり、技術的にはまだまだ難しい様です。


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