第319回
中国人の「世界一、世界初大好き心」
リニアに限らず、中国の人たちは
何でも、世界一、世界初が大好きです。
ですので、前にもお話した通り、
中国市場に投入する機種は、
最新機種の最高機種でなければなりません。
新製品の販売にしても、
「世界に先駆けて、中国で先行発売!」
なんていう風にすれば、
中国の人たちの「世界初大好き心」を微妙にくすぐって、
爆発的に売れるのではないでしょうか。
逆に、本国で既に生産中止になってしまった様な、
いわゆる「型落ち」の機種を中国で発売すると、
自尊心を傷つけられた中国の人たちは、
その製品を買わないどころか、
そうした「型落ち」モデルを投入したメーカーに、
憎悪の念を抱く様になります。
自動車業界では、
フォルクスワーゲンの「サンタナ」、
ダイハツの「シャレード」などが
そうした憎悪の対象となりました。
反省したフォルクスワーゲンは、
今では改心し、
最新機種をどんどん中国市場に投入する様になった、
と言われています。
オリンピックの様な勝ち負けがはっきりと出る様な所では、
中国の人たちの「世界一大好き心」は最高潮に達します。
世間一般では、オリンピックは「平和の祭典」とか
「参加する事に意義がある」と言われていますが、
中国にとっては
「世界一になって、世界に国力を誇示する為の場」です。
先日のアテネオリンピックでの、
中国選手の金メダルラッシュでも、
中国国内は大いに盛り上がりました。
アテネオリンピックでの中国の金メダル数は32で、
アメリカに次いで第2位でしたが、
これが次回、2008年の北京オリンピックで、
金メダル数が世界一になり、
いわゆる「開催地優勝」みたいな形になったら、
中国は手が付けられないぐらいの盛り上がりを見せそうです。
忘れもしない、2001年7月13日、
2008年のオリンピックが北京で開催される事が、
国際オリンピック委員会(IOC)の総会で決まった日、
外で食事を終えて帰ろうとした私は、
ものすごい距離を歩いて家に帰るはめになりました。
北京でのオリンピック開催決定を喜んで、
車から降りて「五星紅旗」を振りながら、
クラクションを鳴らしまくる人たちのお陰で、
北京の交通が完全にマヒ状態になってしまったからです。
オリンピックが決定しただけでこの混乱ですから、
2008年の本番で「開催地優勝」しようものなら、
大変な事になりそうです。
せっかく自分が住んでいる街でオリンピックをやるのですから、
この目で見てみたい、という気持ちはあるのですが、
家に帰れなくなったり、けがをしたりするのはいやなので、
本番はおとなしく家でテレビの中継を見ようと思います。
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