第317回
北京の中国茶ストリート、「馬連道」

中国で中国茶を買うとしたら、
絶対に北京の
「馬連道(まーりぃえんだお)」に行くべきです。
「馬連道」とは北京西駅の南側に位置する、
「中国茶ストリート」です。

南北1kmぐらいにわたる
この「中国茶ストリート」の両側には
びっしりと中国茶の問屋さんが並んでいます。
そしてこの「中国茶ストリート」の一番南側には、
4階建ての「中国茶ビル」が建っていて、
その中に入っているお店は、
全て中国茶や茶器の問屋さんです。

これらの問屋さんは、
中国各地のお茶の産地にあるお茶会社の北京の出先、
という位置付けになっています。
問屋さんの話によると、
北京のお茶の小売店やレストランに大量のお茶を卸す為、
定期的に大量の茶葉を鉄道で北京まで輸送してくる、
との事です。
茶葉を鉄道輸送する為に、
こうした「中国茶ストリート」が
北京西駅の近くに形成されたのかもしれません。

問屋さんによれば、1回の輸送量が多く、
それも輸送コストの安い鉄道で輸送しますので、
「馬連道」で売られている茶葉は、
産地価格とほとんど変わらない、との事です。
中国で中国茶の茶葉を仕入れて、
日本で販売しようと考えられている方も
いらっしゃるかと思いますが、
わざわざ福建省や安徽省といった産地まで行かなくとも、
北京の「馬連道」に来れば、中国全土の中国茶を、
産地価格と変わらない値段で仕入れる事が出来ます。

「馬連道」は問屋街ではありますが、
卸価格で小売もしてくれます。
お店に入ると問屋のご主人が
「まぁまぁ座りなさい」と言って、
お茶を淹れてくれます。

お茶を飲みながら「中国茶談義」をしていて、
話題に上がったお茶があると、
そのお茶を出してきて、また新しく淹れてくれます。
さんざんお茶を飲んで、「中国茶談義」をして、
何も買わないで店を出ても、何にも言われません。
なんて太っ腹なんでしょう。

問屋のご主人たちは中国茶のプロですので、
中国茶の茶葉についてはもちろん、
お茶を淹れる時の、水質、水温、淹れ方、茶器などに関して、
ものすごく豊富な知識を持っています。
問屋のご主人たちと実際にお茶を飲みながら
「中国茶談義」をしているだけで、
中国茶に関する知識がどんどん増えていきます。

中国茶のビジネスをしようと考えておられる方は、
本などで勉強するより、
「馬連道」に行って、
問屋のご主人たちと「中国茶談義」をした方が、
はるかに役に立つ実践的な知識を
吸収できるのではないでしょうか。


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