第313回
BRICs
最近、BRICsという言葉をよく聞く様になりました。
BRICsとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、
インド(India)、中国(China)の頭文字を取ったもので、
アメリカの大手証券会社・ゴールドマン・サックスが、
投資家向けにまとめたレポートの中で使った言葉です。
このレポートは、今後、この4ヶ国が大幅な経済成長を遂げ、
欧米、日本など従来の経済大国に取って代わる、
というものです。
ゴールドマン・サックスのレポートによれば、
2030年のGDPランキングは、
アメリカ、中国、日本、インド、ロシアの順で、
ブラジルも9位に入る、との事です。
これが2050年になると、中国が1位となり、
その後に、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアが続く、
という事になるそうです。
本当にこういう事になれば、2050年には、
GDP上位6ヶ国にBRICs 4ヶ国が全て入る、
という事になります。
BRICs 4ヶ国の共通点は、
国土が広い、人口が多い、資源が豊富、という事です。
私が大学で国際貿易の勉強をしていた15年前は、
NIES(Newly Industrializing Economies、
新興工業経済地域)と呼ばれた
韓国、台湾、香港、シンガポールが破竹の勢いであり、
「これからは金融センターや、
貿易中継地の経済が発展する軽薄短小の時代だ」
と言われていました。
しかし、その後、たった15年で、
「これからは国土が広くて、人口が多くて、
資源が豊富な国の経済が発展する重厚長大の時代だ」
に変わってしまいました。
なんだかすごい変わり様です。
15年前まで遡らずとも、
1997年の香港返還の際ですから7年前、
邱さんは「香港の中国化ではなく、中国の香港化が起こる」
と見通しておられましたが、
大部分の人は「返還後、香港経済はダメになる」
と考えていました。
それが今では、
人民元の札束がぎっしり詰まったカバンを持って、
香港に不動産を買いに来た中国のお金持ちに、
香港経済を下支えしてもらっている様な状況です。
7年前には考えられなかった事です。
私たちはほんの数年で、
以前は全く考えられなかった事が
起こってしまう時代に生まれて幸せです。
こういう変化の早い時代には、
立っている位置さえ間違えなければ、
旧来の序列やしがらみに関係無く、
大きな富を得る事が出来るのではないでしょうか。
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