第312回
狭い香港の高い家賃

今回、久しぶりに香港に行って感じたのは、
思ったより活気がある、という事です。

最近は、上海、北京、広州など、
中国大陸の各都市の快進撃が話題になる事が多く、
香港は影が薄くなってしまった、
というイメージがあったのですが、
なんのなんの、
人は多いし、車は多いし、
食事時になるとレストランはどこも満席だし、
なんだかすごく景気が良さそうな感じでした。

あと、分かっていた事ではあるのですが、
北京に比べて物価が高いので、改めてビックリしました。
何の変哲も無いお粥屋さんに入って、
ビールとお粥と野菜炒めを頼んだだけで、
すぐに100香港ドル(1,600円)ぐらいいってしまいます。

東京も香港と同じぐらい物価が高いのですが、
北京とは食べるものが違うので、余り気になりません。
しかし、香港で食べる中華料理は、
普段北京で食べているものとほとんど同じですので、
その値段が3倍も4倍もすると、
やはり心理的に非常に抵抗があります。
ま、コペンハーゲンほどではないのですが...。

しかし、あれだけレストランが混んでいると、
香港では食事をするのにも順番待ちをしたり、
予約をしたりする事が必要になってきます。
東京の都心もそうですが、都会ならではの面倒臭さです。

一方の北京では、何か食べに行く時でも、
よっぽど人気のレストランでなければ、
予約無しでフラッと行っても席があります。
これは、非常に気が楽です。
北京は人口に比べて、
レストランの数が異常に多いのかもしれません。

北京ではお客さんがほとんど入っていなくて、
他人事ながら「この店の経営は大丈夫か」
と思ってしまう様なレストランでも、
なかなか潰れません。
土地が広く、家賃が安いので、
損益分岐点が非常に低い所にあるのでしょう。
そういう意味では、土地が広い、という事は良い事です。

逆に、香港は土地が狭く、家賃が高いですので、
レストランを開いても、
お客さんがものすごくたくさん入らないと
黒字が出ないのではないかと思います。
私が食事代として100香港ドル払っても、
かなりの部分が家賃で消えてしまうのかもしれません。

これではレストランのオーナーは、
不動産のオーナーの為に働いている様なものです。
香港の財閥がみんな不動産業出身である、
というのも納得がいきます。


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