第226回
「不満があるならすぐ行動」
中国人材が引く手あまたである、という事実は、
私が起業を決意するに当たっての、
心のセーフティーネットになりました。
もし、事業に失敗して、会社が潰れても、
日本に帰るお金さえあれば、必ずどこかの会社に就職出来る。
いくら失業率が高くても、
妻と3人の子供を路頭に迷わす事は絶対にない、
という妙な自信がありました。
それは丸紅時代、早期退職制度で
割増退職金をもらって会社を辞めた50歳代の人たちが、
「丸紅で中国ビジネスやってました」というだけで、
すぐに再就職先が決まるのを
目の当たりにしてきた事も影響しています。
失業率が高く、
特に、50歳代の人たちが再就職先を見つけるのは、
ほとんど不可能、と言われている状況下で、
彼らは丸紅を退職する前に
既に再就職先が決まっている様な状況でした。
一方の私は35歳で起業して、万一、頑張ってもうまくいかず、
2年後に資金が底を突いたとしてもまだ37歳。
どう考えてもすぐに再就職出来るだろう、と考えていました。
再就職出来なかったとしても、
中国は物資が豊富で物価が安いので、
のたれ死ぬ事は絶対にない、
というのも安心につながりました。
北京の平均的なホワイトカラーの月給は
3,000元(45,000円)ぐらいです。
資金が底を突く前に、100万円だけ残しておけば、
2年間ぐらいは全く仕事をしなくても、
なんとか暮らしていく事が出来る計算です。
その2年間で、何とか再起を図る訳です。
現状、とりあえずは運良く、
上記の様な状況に陥らずに済んでいますが、
人間、どんな状況になっても何とか生きて行ける、
と考える事によって、心理的に随分気が楽になるものです。
もちろん、事業に失敗すれば、
何とか生きて行く事は出来るにしても、
生活レベルはかなり落ちます。
しかし、誰に背中を押された訳でもなく、
自分の足で踏み出して、自分のせいで落ちるのですから、
もし、そういう状況に陥っても
納得がいくのではないでしょうか。
もちろん、会社に残って楽しく仕事をする事も、
すばらしい事です。
問題なのは、不満があるのに自らそれを解決しようとせず、
酔っ払って愚痴ったりする事。
人生は短いです。
我慢している余裕などありません。
「不満があるならすぐ行動」で
悔いのない人生を歩みたいものですな、お互い。
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