第136回
「北京エンタープライズ」

中国株を買うと言っても、B株、H株、レッドチップなど、
全部の銘柄を合わせると相当な数になります。
どの株を買うか、とても絞り込めるものではありません。
となると、やはり状況や環境が把握し易い地元北京の会社か、
良く分かる業界の会社の中から選ぼうかな、という事になります。

まず地元北京の会社では、
「北京エンタープライズ」が非常に気になっています。
「北京エンタープライズ」は、
北京の様々な業界の会社に投資するコングロマリットです。
こう書くと、特に何の魅力も感じないと思うのですが、
調べてみると、その投資先がすごいのです。

まずは「燕京ビール」。
北京でビールと言えば「燕京ビール」と言われるほど、
北京では圧倒的なシェアを誇っています。
数年前に発売された「燕京純生」は、
日本のビールと比べても遜色が無いほどおいしく、
私も中国料理のレストランに行くと、
いつも「燕京純生」を銘柄指定で注文しています。

食品関係では他に「三元食品」に投資しています。
「三元食品」は北京の乳製品市場で
圧倒的なシェアを持っています。
うちの3人の娘も、
牛乳の銘柄は「三元牛乳」しか知りません。
「三元食品」は更に、破竹の勢いでチェーン展開を行っている
「北京マクドナルド」にも投資しています。

観光関係では高級老舗ホテル「建国飯店」、
万里の長城での観光開発を行う「八達嶺長城」に投資しています。
北京の銀座と呼ばれる繁華街・王府井にある老舗デパート、
「王府井百貨」にも投資しています。

また、インフラ関係では
北京の街と北京空港を結ぶ「北京機場高速公路」に、
IT関係では「北京発展」に投資しています。
この「北京発展」では、
北京市の地下鉄、バスなど公共交通機関全てに使用出来る
プリペイド式のICカードを開発している様です。

こうしてみると、「北京エンタープライズ」が投資している会社は、
消費者に密着した、いわゆる川下の業界の会社が多く、
北京に住んでいる人なら誰でも聞いた事がある会社ばかりです。
北京に住んでいる者にとっては、非常に親近感の湧く銘柄です。

今後、2008年のオリンピック開催を控え、
北京の発展と歩を一にして、
「北京エンタープライズ」の業績や株価も
どんどん上がっていくのではないかと思うのです。


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