第59回
次の一歩を踏み出す勇気

ここまで、私が中国で起業し、
現在に至るまでのお話しを致しました。
私の会社はまだ成功したとは言い難い状況ですので、
余り大層な事は言えないのですが、起業して思ったのは、
大切なのは「次の一歩を踏み出す勇気」だと言う事です。

私のイメージでは、サラリーマンを辞めて起業する事は、
崖の上から初めて飛ぶ鳥の様なものです。
崖の上から下を見ても、どこに地面があるか見えません。
どこに掴まれる木が生えているかも見えません。

しかし、勇気を持って崖から飛び降りてみます。
そして、必死になって羽ばたきます。
羽ばたいても羽ばたいても落ちて行くんですが、
ある時突然、下から上昇気流が吹いたりします。
上昇気流のお陰でちょっと上に持ち上げられてホッとしていると、
上昇気流が消えて、また羽ばたいても羽ばたいても落ちて行きます。

これを繰り返しているうちに、
翼に筋肉が付いて羽ばたきが力強くなったり、
どの辺が上昇気流が吹き易いか分かってきたりします。
これらを崖の上で全て予測するのは不可能です。
崖の上でいくら飛ぶ練習をしても、
翼に付く筋肉はたかがしれていますし、
上昇気流が吹き易い場所も分かりません。

墜落する事を考えると、
崖から飛び降りるのは勇気が要る事です。
背中に養わなければならない妻や子供が乗っている場合は尚更です。
しかし、飛び降りてみなければ出来ない事、分からない事、
というのもあります。

私の場合は、1年半前に飛び降りた地点が、
まだ随分上のほうに見える、という状態です。
飛び降りた地点まで舞い上がるには、
あとどのぐらいの時間が掛かるか分かりませんが、
それでも崖の上で逡巡しているよりは良かったと思います。

もちろん、会社という組織の中にいた方が、
自己実現をし易い、という方もいらっしゃると思いますので、
皆さんが崖から飛び降りるかどうかは自分で判断してください。
人の置かれた環境や価値観は千差万別ですので、
飛び降りた方が良いかどうかは、本人にしか分かりません。
いろいろな人の意見を聞く事は大切ですが、
最終的には自分で判断して、
その結果には自分で責任を取ってください。


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