第26回
中国人はソフトの価値をどう評価するか?

さて、有り難い事に、読者の方からご質問を頂きました。
ちょっと「ハイハイQさんQさんデス」の真似をさせてください。

■河合さんからのQ(質問)です:中国人はソフトの価値をどう評価するか?

中国人の物事に対する考え方の中で、
ハード(製品、物体など目に見える物)と
ソフト(知識、考え方、コンサルティング、弁護士等、
目に見えない知識)に対しての価値の考え方、
もしよろしければ教えて頂けるとうれしいです。
思った事でも結構です。

何故このような事をお聞きしたかというと、
個人的に日本人は、
ソフトに対する金銭および社会的評価が低いと思うのです。
この点で中国人が優れているのであれば、
日本は2008年以降数年で、
経済的に中国に抜かれても不思議ではないのかな?
と思うのです。

■柳田さんからのA(答え)

おっしゃる通り、日本では未だにソフトの価値を認め、
その価値に対して対価を支払う、
という意識が希薄な部分があるかもしれません。
特に、インターネットで膨大な情報を無料で
入手出来るようになってからは、その傾向が強くなっています。
実際、このサイト、「ハイハイQさんQさんデス」も、
必要な人が見れば非常に価値のある多くの情報を
毎日発信していますが、全て無料で見る事が出来ます。

一方の中国ですが、ご存知の通りの「ニセモノ天国」です。
「良いデザイナーが作った製品が高く売れて、
そのデザイナーが大金持ちになる事により、
後進のデザイナーが発奮し、良いデザイナーが出続けるのだから、
ニセモノでこの良循環を壊してはいけない」
などという崇高な理論は、ここでは通用しません。
「同じデザインで同じ品質なら、本物だろうがニセモノだろうが、
安い方がいいに決まってんじゃん」です。
ソフトの価値に対する評価は、
現状、日本よりはるかに低いと言わざるを得ません。

衣食住が満ち足りて、
サービス業が産業の大きな部分を占める様になってから、
かなりの時間が経過した日本でさえ、
ソフトに対する評価が低いのですから、
つい最近まで明日食う事だけしか考えられなかった中国の人たちが、
経済が発展したからと言って、
いきなり「ソフトに価値を感じろ! 」と言われても、
すぐには無理なのではないでしょうか。

確かに、スターバックスの様にソフトで成功している例も、
出始めています。
今後、人々が豊かになり、サービス業が発達して行くに連れて、
中国でソフトの価値が上がっていく事は確かだと思いますが、
全体的な意識の変化には、
まだまだ長い時間が掛かるのではないでしょうか。


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