11月27日(水)
曇り、風力3以下
最高気温8℃、最低気温−5℃
昼間は比較的暖かいのですが、夜はしんしんと冷え込みます
第12回
交渉道場、秀水街(1)
北京には秀水街というニセモノブランド品を売る店が
軒を連ねる一角があります。
カバン、財布から衣類、時計、サングラスに至るまで、
ありとあらゆるニセモノが手に入ります。
店によっては、どこで手に入れたのか、
日本の最新のブランド雑誌が置いてあり、
そこで「新作」と紹介されている商品のニセモノが、
既に店内に飾ってあったりします。
ここでのニセモノブランド品の価格は、
全て交渉によって決まります。
ここでの店主との交渉は、
中国ビジネスにおける交渉の縮図ですので、
大変勉強になります。
柳田 「このルイヴィトンのカバン、幾ら?」
店主 「あ、それ、480です」
柳田 「冗談でしょ。これのどこが480よ」
店主 「お客さん、これね、
他の店で売ってるルイヴィトンと違うんですよ。
ほら、ここの縫製見てください。きれいでしょ。
あと、このLVマークの位置。ずれてないでしょ。
本物と全く同じなんですよ」
店主はまずは、とんでもない値段を言ってきます。
もしかしたら、私がこのルイヴィトンのカバンに
480の価値を見出しているかもしれないからです。
ここで頭にきて「俺からぼったくろうとするなんて、
とんでもないやつだ。こんな信用出来ないやつからは買えん」
と交渉を決裂させてしまっては、前に進みません。
ここは冷静に、「この値段で買えたら良いな」
と思う値段を返してみてください。
柳田 「あのね、いくら本物と同じでも、480は無いでしょ」
店主 「じゃ、いくらなら買うの?」
柳田 「80」
店主 「冗談じゃない。そんな値段で売れる訳ないでしょ。
分かった、じゃ、お客さんには特別に350で売ってあげる」
柳田 「80」
相手が値段を下げてきても、
こちらは値段を上げる必要はありません。
向こうはしたたかですから、
480と80の真中ぐらいを落とし所に交渉をしてきます。
真中の280なら店主は大儲けです。
飽くまで、「このカバンはこのぐらいの価値がある」
と思う価格を主張して、
この価格でなかったら買わなくても良い、
ぐらいの気持ちで交渉してください。
この交渉の続きは次回。
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