弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第671回
事業を行う人がいないと

HiQを読んでいる人の多くは、
サラリーマンか、そのご家族かもしれません。

サラリーマンの方は、これだけ働いているのに、
これだけしかもらえないと思っている方も多いことでしょう。

しかし、事業を行っている人たちは、
いくら働いても、
利益が出なければ、何ももらえません。

それどころか、人件費や家賃や仕入代など、
経費に見合う売上げがなければ持ち出しとなってしまいます。

事業を行うということは、
サラリーマンと比べると、
かなりリスクの高い行為ということになります。
そこで、多くの親御さんも学校の先生も、
若い人に対し、
将来、事業家になることは勧めたりしないでしょう。
まあ、ある意味当然です。

しかし、事業を行う人がいなければ、
給料を払う人がいなくなるということになってしまいます。

国などは、もともとお金を生み出す力はなくて、
国民から税金を取って分けているだけに過ぎません。
その税金は、サラリーマンからも取っていますが、
そのサラリーマンの給料は、
事業を行っている人から出ているわけで、
結局は、事業が税金を生み出すもとになっているのです。

事業は、行うだけでリスクが高いのに、
最近の日本では、社会が成熟して、競争が激しく、
同じ商品やサービス、ビジネスモデルが、
短期間しか、利益を生み出さなくなっており、
事業を行う人にとって、
ますますリスクの高いものになっています。

だからこそ、事業を行っている人たちは、
税金その他で、優遇されてもいいんじゃないかと思っています。

こういう話をすると、
金持ち優遇という批判がなされますが、
そういう批判をする人たちも、事業を行えば、
優遇される側に回るわけですから、
金持ち優遇ということにはならないと思います。

事業を行う人が優遇されれば、
誰もがサラリーマンでなく、
事業を起こすようになるので、
日本社会が活性化するような気がします。

今は、事業を行うリスクより、
事業を行う人の優遇度が低いことから、
事業家よりもサラリーマンを目指す人が多い
ということなのだと思います。 


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2011年7月28日(木)

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