弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第600回
弁護士を恨んで殺害

今年の7月に、離婚の相手方本人が、
弁護士を事務所で殺害する
という事件があったばかりですが、
先日また弁護士が殺害される
という事件が起こってしまいました。

報道では、弁護士との関係や殺害の動機が
はっきりしないのですが、
離婚の相手方本人だったことは確かのようです。 

一般的に、弁護士が依頼を受けるのは、
揉め事で、当事者双方が、
感情的になりエキサイトすることも少なくありません。

特に、離婚や遺産分割などの家族関係の事件は、
感情的になることもあるので、調停や裁判では、
当事者同士を会わせないように、
気を使って手続を進めることもあるくらいです。

そういう揉め事の間に弁護士が入っても、
これまでは、弁護士は、
代理人として、依頼者の主張を代弁しているのだから、
弁護士に文句を言っても仕方がないと思う人が多かったためか、
あまり弁護士を攻撃してくるということはありませんでした。
もちろん、今でも、そう考える人が多いと思います。

ところが、最近は、
交渉や訴訟の窓口となっている弁護士を攻撃してくる
というケースが増えているようです。

弁護士会でも、弁護士業務妨害として、
その対策を検討したりしているくらいです。

そういう弁護士を攻撃する人が増えている中で、
前回、今回と弁護士が殺害される
という事件が起こってしまったようです。

弁護士は、代理人として、依頼者の主張を代弁しているのだから、
弁護士に文句を言っても仕方がないということさえ、
理解できない人が増えたということなのでしょうか。

弁護士が守るのは、自分の依頼者の利益ですから、
相手方の言い分を一切受け入れないことも多いです。

それを崩すには、どうしたらよいかというと、
自分も弁護士を立て、
法律上、受け入れられる理屈を立てればよいわけです。

しかし、そのように物事を理解している人であれば、
弁護士を攻撃したりはしないですよね。

弁護士が身の危険を感じる職業になってしまうなんて、
困りますね。


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2010年11月9日(火)

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