弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第486回
長期の投資でも利益が得られない

よくファイナンシャルプランナーが、
将来の財産形成に備えて、
高い利回りを狙うのであれば株式の割合を増やすように
などとアドバイスしていることについて、
いいのかな?
という疑問を以前投げかけました。

そのときの原稿では、
投資について素人の私が日経平均の数字を拾って
最近は10年20年単位で投資しても
利益を上げるのが難しいと書きました。

7月13日の日経新聞に、10年20年単位でなくても、
日本の株式市場で利益を上げるのは難しい現実がある
という記事が掲載されていました。

みなさん、ご存知のように、
毎月一定の額を投資し続ける投資方法を
「ドルコスト平均法」と言います。

価格の高低に惑わされず、
取得価格が平均されるので、
長期投資に適している投資方法と言われています。

ところが、各世代の人が23歳となったときに
日経平均にドルコスト平均法で毎月投資したとすると、
今年の6月時点で利益を得ているのは、
60歳以上の人たちだけだというのです。

24歳から59歳の人は、
みな含み損を抱えているという結果になったようです。

悪い投資方法と言われている
一山当てようとして、
一度に多くを買ったり売ったりするのではなく、
平均的にコツコツと長期保有目的で投資をしていたとしても、
日本株では利益が出ない可能性が高いということです。

実際、過去26年間では
投資をしても利益が出なかったということです。

こういう厳しい現実があるにもかかわらず、
資産形成の際に、高い利回り、
例えば5%やそれ以上の利回りを求めるならば
株式の割合を増やしましょうなんて、
言ってしまってよいのでしょうか?

過去の現実からは、日本株で長期的に5%の利回りなんて、
普通の人には無理だから、
日本株を入れるのはやめましょうとなりそうですが。

ファイナンシャルプランナーや
投資信託を販売している人たちは、
この現実については、
どう考えて資産形成についてアドバイスしているんでしょう。


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2009年9月3日(木)

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