第484回
訴訟では「積み込み」が可能
訴訟は、勝ち負けがあり、
相手の出方により、こちらの対応を決める、
場合によっては、相手の出方を読んで対応する部分もあり、
トランプや麻雀、将棋といったゲームに似ている部分もあります。
しかし、トランプや麻雀は、
手持ちのカードや牌が偶然的に配布される中で、
役を作っていくというゲームですから、
予め役ができるように仕込んでおくこと、
麻雀で言うところの「積み込み」は、いかさまであり、
反則となります。
しかし、訴訟は、ゲームとは違って、
予め訴訟になったときの準備をしておくことができ、
いかさまでも、反則でもありません。
むしろ、法令順守(コンプライアンス)ということが
声高に言われる時代ですから、訴訟になっても負けない、
即ち、法律が要求している条件を満たすような準備を
しておくことは、必要なこととなります。
法律が要求している条件を満たすような準備というと
いかにも脱法行為をするようなイメージとなってしまいます。
しかし、裁判に負けない、
あるいは法律が要求している条件を満たすような準備とは、
簡単に言うと、法律を守って行動し、
その証拠を残しておくということに他なりません。
約束をしたら、口頭だけではなくて、
契約書を交わしたり、念書を書いてもらったりしましょう。
このようなことをしたら、
法的に後で責められる部分がないかを
弁護士に相談したりしてみましょう。
このようなことが、訴訟における事前の準備、
即ち、麻雀で言うところの「積み込み」なのです。
トラブルが起きた後では、
「積み込み」はする余地が少なくなります。
一般の個人の場合は、
大きな買い物や投資などをしなければ
後で訴訟になる可能性があることはあまりないかもしれません。
しかし、事業をすると、出資も、店舗を借りることも、
お金を借りることも、人を雇うことも、取引を行うことも、
全て後でトラブルになる可能性を含んでいます。
普段から、後でトラブルにならないよう
「積み込み」が必要かもしれません。
この訴訟のための「積み込み」の助っ人となるのが、
普段から相談できる顧問弁護士です。
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