弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第435回
雷がゴロッとしたら避難して

みなさんは、スポーツをしているときに、
雷がゴロッと鳴ったら、スポーツを中止して避難しますか?

これも、前回のスポーツに関するフォーラムで
取り上げられた問題です。

雷がゴロッと鳴ったら、すぐにスポーツの大会を中止して、
避難しなければならないかということが、
最高裁まで、争われたのです。

というのは、大会を中止せずに続行したところ、
雷に打たれて、選手の1人が意識不明の重体となり、
その後重い後遺症が残ってしまったからです。

雷が落ちることが予想できたのか、できなかったのか、
裁判では、意見が分かれまして、
最終的には、最高裁判所が、
雷が落ちることは予想できたという判断をして、
主催者や学校の先生が責任を問われました。

みなさんは、雷がゴロッと鳴ったくらいでは
大丈夫だと思うだろうと思います。

しかし、雷は、15kmから20kmくらいの範囲で落ちるそうです。
音速は、秒速約330メートルなので、
光ってからゴロッという音が聞こえるのが1分以内であると
雷の射程圏内に入っているのです。

だから、雷がゴロッと鳴ったら、
避難した方が安全ということになるのです。

しかし、もちろん、必ず落ちるとは限りませんし、
スポーツの大会ともなると、その程度で中止して、
後で何もなかったら、その後の大会日程はどうなるんだ
ということにもなりかねません。

そこで、判例の事案では、
試合を中止できなかったようなのですが、
人命がかかっていますから、
止めないと責任を負うこととなるということなのです。

これは、実際はなかなか難しい問題です。

ちなみに、甲子園の野球大会は、
雷がレーダーで一定の距離に入って来たら中止にする
というルールがあるそうです。

みなさんも、屋外でスポーツをしているときには、
雷にご注意ください。 


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2009年2月24日(火)

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