弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第360回
印税生活は難しい

みなさん、本を出すと
印税収入がたくさん入ってくると思われている方が多いようです。
僕は、弁護士生活14年で4冊本を出しています。

「本を4冊も出していてすごいですね。
そちらでも生活していけるんじゃないですか」
などと冗談で言われます。

しかし、本を出した場合の印税(正確には「著作権料」です)は、
本の価格の10%です。

僕の「訴えられたらどうする!!」の本体価格は1300円ですから、
印税収入は1冊当たり130円です。
これに発行された部数によって、
印税収入が決まるわけです。

法律の本は、何部発行されると思いますか?
法律の本は売れないので、
初版の発行数が3000部から4000部です。
ということは、
印税収入は39万円から52万円ということになります。
これでは、みなさんの月給くらいにしかなりません。

印税収入で暮らしていこうとしたら、
年金がもらえるようになるまで、
毎月本を出していかなければなりません。
印税収入で暮らしていくことが
どれくらい難しいことがお分かりになると思います。

本の印税収入の割合は、
有名な作家でも10%らしいです。
有名な作家のようにミリオンセラーともなれば、
1500円の単行本だと1冊当たり150円で、
100万部ですから1億5000万円となります。
これだと、かなり本を出して儲かっていると言えるでしょう。

しかし、ミリオンセラー作家は、年に何人でるでしょうか。
邱さんのように、作家として生計を立て、
しかも、作家として儲かっているというのは
とても大変なことなのです。





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2008年5月27日(火)

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