弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第214回
誤った税金を取り戻す

サラリーマンの方は、
所得税は給料から天引きされ、
消費税は商品代金に含まれているから、
あまり税金を払っている感覚はないかもしれません。
自営業の方は、
毎年自分で税額を計算しているので、
自分の払っている税金を
理解されているかもしれません。
しかし、国又は地方自治体が計算し
請求してくる税金に
疑いを持っている人は
ほとんどいないでしょう。
けれど、地方自治体が計算し、
請求すると言っても
所詮は人のやることです。
だから絶対ということはなく、
ミスもあるのです。

国などのミスにより、
多く支払ってしまった税金は
どうなるかと言うと、
誤りを指摘して
請求すれば返してもらえます。
国などが気づけば国から
返してくれます。
ただ、一般的に国などが間違って
税金を請求していると思って
税金の請求を見ている人は
あまりいないので、
実際上は支払った人の支払い損、
国などの受け取り得となっています。
(おそらく逆もあるでしょう)

意外に税金の請求で
間違いがあるのは、
固定資産税です。
固定資産税は、登記上の記載ではなく
実体に応じて所得されるのが原則です。
ところが、登記上の記載によって
税金を請求され、
実体に応じて税金を請求すれば
特例などにより税金が軽減されるのに、
登記上の記載を基に請求しているため
特例を適用されず、
本来支払うべき税金より
多く税金を支払っている人がいるのです。

会社や個人の税金の申告は
税理士さんに依頼する人は多いけれど、
固定資産税の計算の確認を
税理士さんに相談する人は、
ほとんどいないからだと思います。
不動産を持っている人は、
一度税理士さんに
自分に対する
固定資産税の計算が違ってないか
確認してもらった方がよいかもしれません。
そのときは登記簿だけでなく、
実際の面積や
利用方法のわかる書類を
持って行く必要があります。

例えば、増築して面積が増えたとか、
住居部分が増えたなどの場合は、
その変更を考慮せずに
税金がかけられている可能性があります。

なお、税金の請求が誤っていた場合、
過去何年分請求できるかは、
7年、10年、20年と争いがあります。
僕は一度20年分の誤った税金を
利息をつけて返してもらったことがあります。


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2006年12月7日(木)

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