弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第215回
起業するときの持株比率

みなさん、起業するときに、
友人、知人といっしょに
ビジネスを始めるという方も多いことでしょう。
自分1人で始めても、
事業の資金を他人から
出してもらうということもあるでしょう。
起業するときには、
まだ、儲かってもいないし、
何がどうなるかわからないので、
後先のことを考えずに、何となく、
必要なお金を出してくれる人がいればよいと
考えて進めてしまうケースが多いです。

しかし、実は、これが後で
トラブルの元になってしまうことが多いのです。
ライブドアがニッポン放送を買収しようとしたときに、
会社は誰のもの
という哲学的な議論が
いろいろなところでなされました。
しかし、何だかんだと言っても、
会社で最終的な意思決定権を持つのは、
過半数以上の株式を持つ株主です。
株を過半数押さえれば、
会社を実際に動かす取締役や
代表取締役を選んだり、
辞めさせたりすることができるからです。

起業して、最初は、
誰もが、顧客を開拓し、
収入を安定させ、
延いては会社経営を安定させようということで、
目的は一致しています。
だから、最初のうちは、
多少の意見の違いがあっても、
対立することはありません。

対立しても、
お互い得られるものは
何もありませんからね。
しかし、顧客が付いて、
会社経営が軌道に乗ってきて、
収入も大きくなってくると、
人間欲も出てきます。
こんなに儲かる会社なら、
「自分の思い通りに支配したい。」
「この会社を自分のものにしてしまおう。」
と、パートナーが思わないとも限りません。

そのときに、
物を言うのが株式会社では持ち株比率なのです。
だから、起業する場合には、
少なくとも過半数の株は、
自分が持つようにしましょう。
そうでないと、
起業して成功したにもかかわらず、
パートナーに会社を
乗っ取られてしまうことになりかねません。


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2006年12月12日(火)

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