弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第78回
マンション管理費の滞納

以前マンション購入のリスクとして、
建替や住民から集めた管理費を横領されたり、
無駄に使用されたりすることを取り上げました
今回は、管理費滞納の問題です。

マンションは住民(正確には所有者)から
管理費や修繕費を集めて管理を行っています。
マンションの管理費や修繕費が支払われなければ、
管理も修繕も行えなくなります。

一戸建てでは、
自分以外に管理や修繕に必要なお金を
払う人がいませんから払わざるを得ません。

ところが、マンションの場合、
多数の住民の1人になるので、
財政状況が思わしくないと
自分が払わないだけなら
管理や修繕に支障は出ないと考え、
管理費や修繕費を支払わない人が出てきます。

もちろん、
多数の人がこんな考えにより
管理費や修繕費を支払わなくなったら、
マンションの管理や修繕ができなくなり
マンションでの生活が快適なものではなくなります。
マンションの資産価値も下がってしまうでしょう。

管理費を支払わない人が少数でも
その人たちはマンションの管理や修繕という便益を
受けているのであって、
真面目に払っている人からすると
不平等で納得できないということになります。
そこで管理費の滞納者に対し、
どう対処するかが問題となります。

マンションの管理費を滞納しているのが、
住民であれば、次の1,2の方法で、
相当効果が見込めると思います。
周りの住民から白い目で見られることや、
知り合いにマンションの管理費も払えないと思われるのは、
相当精神的につらいからです。

1.催促に行く。
2.回覧板などで、滞納者、滞納額を公表する。

しかし、マンション所有者が投資家や会社で、
マンションの住民でない場合には、
そのようなプレッシャーを受けることはありません。
また、仮に住民であっても、
払えないと開き直られると、
このような精神的プレッシャーによる回収は難しいです。

そこで、法的には、
管理費等の滞納に対し、
どのような手段が取れるか知っておく必要があります。
それは、次回に説明します。


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2005年7月19日(火)

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