弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第60回
大家の悩み2−借主の問題行動

前回、賃貸マンションや
賃貸アパートの経営をするに当たって、
借主との法的トラブルで最も多いのは
賃料の不払いで、
その対策を説明しました。

賃貸マンションや賃貸アパートでは、
文字通りマンションや
アパートを使用させることによって、
賃料をもらうので、
賃料をもらえばそれでよい
というものではありません。
マンションやアパートを
きちんと利用してもらう必要があります。

ところが、
マンションやアパートを利用するに当たって、
いろいろな借主がいますから、
大家である貸主を悩ませることとなります。
今回、この借主の利用方法における
トラブルについて説明します。

マンションやアパートは
借主1人で住んでいるわけではありません。
そこで、ある借主が
他の借主に迷惑をかけるような利用方法を取ると、
良い借主に出て行かれてしまう可能性もあるし、
トラブルのある物件として
人気のない物件になってしまう可能性もあります。
他の借主への迷惑が
大家の責任になることもあります。

このある借主が
他の借主に迷惑をかける利用方法としては、
騒音(ステレオ、麻雀、飲み会など)、
ゴミ出しを自分勝手に行なう、
空いているところに無断で物を置くなどがあります。

その他にも、
禁止されているのにペットを飼う、
契約者以外の人物が出入りしている、
居住目的で貸したのに
事務所や店舗として営業活動を行なうなど、
借主が行なうと、
大家としては困る行為がたくさんあります。

これらは、まず、契約で禁止すること、
そして、違反しているのを見つけた場合には、
その都度、契約で禁止されているので、
止めるよう注意してください。
証拠として残すために、
できれば書面で行なうのが良いでしょう。
それでも、迷惑な行為が続いた場合には、
賃貸借契約を解除し、
出て行ってもらうということとなります。

途中で、契約で禁止された行為がなされていても
放っておくと、
借主から黙認されていた、
即ち許されていたと反論されるおそれがあるので、
違反行為があったら、
必ず借主に注意しておくことが必要となります。

問題のある借主が入居すると、
大家は、次から次へと注意しなければならず、
悩まされることとなります。
大家稼業も、やってみると以外と大変なのです。


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2005年5月17日(火)

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