第20回
不動産の相続税で有利な点
前回、相続税の対象となる相続財産(遺産)の額は、
「相続財産−相続債務−基礎控除」
という式で計算することを説明しました。
相続税対策が必要な方は、
どうすればよいかというと、
上の式から明らかなように、
・相続財産を減らすか
・相続債務を増やすか
・基礎控除を増やすか
ということになります。
不動産を購入すると相続税対策になるというのは、
この中の相続財産を減らす方法の一つです。
現金1億円は、相続財産を計算する上では、1億円です。
しかし、土地建物という不動産の場合、
実際に売ったら1億円になるという物件でも、
その評価は路線価という
税務署の定める評価額で評価されます。
一般に、時価よりも路線価の方が低いです。
(ただし、最近は地価下落によって、路線価と同等、
あるいは、路線価の方が高いという例外もあります。
注意してください。)
自分の土地の路線価については、
国税庁のホームページから調べることができます。
http://www.nta.go.jp/category/rosenka/rosenka.htm
例えば、実際に取引されている市場価格は
1億円の土地建物であって、
仮に路線価では80%の8000万円だとします。
とすると、現金1億円を持っていると、
相続税の計算では1億円と評価されますが、
同じ1億円を不動産で持っていると、
相続税の計算では8000万円で評価されるのです。
その意味で、現金で1億円残すよりは、
1億円相当の不動産で残した方が
相続税に関しては得なわけです。
ただ、前回説明したとおり、
1億円現金で残しても、
相続税が発生しない場合には、
現金で残そうが、不動産で残そうが変わりありません。
不動産が相続税で有利な点は、まだあります。
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