第18回
不動産購入は相続税対策になるか?
■質問
私は不動産屋に相続税対策になると言われて、
5階建てのマンションを建てました。
今になって思うと、
これは本当に相続税対策になるのでしょうか。
■回答
税金は、所得税や相続税など
高額な収入を得るほど
高い割合の税金を課されるという
累進課税制度が取られていますので、
多額の収入や資産のある方は、
資産の形成や承継を考える上では、
税金のことも考慮せざるを得ません。
しかし、私は、弁護士で
税金の専門家ではありません。
税金については、関心があって、
それなりに勉強もしているつもりですが、
みなさんに無責任にアドバイスするわけにはいきません。
したがって、税金については、
税理士さんに質問することをお勧めします。
ただ、遺産分割や
事業承継などの事件を取り扱う場合には、
必ず税金の問題が生じますので、
どういう点が税法上問題となるかはわかります。
そこで、せっかくのご質問ですので、
相続税の基本的な仕組みと、
どうして不動産を取得することが
相続税の対策となるかについて、
ご説明しましょう。
相続税は高いと言われていますが、
みなさんは、どれくらいの税率かご存知ですか?
現在の相続税の税率は以下のとおりとなります。
課税標準 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
− |
3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
1億円以下 |
30% |
700万円 |
3億円以下 |
40% |
1,700万円 |
3億円超 |
50% |
4,700万円 |
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※16年12月9日時点の国税庁のHPによる
これを見ると、
「1億円を相続すると、2,300万円も相続税を払うの?」
「それは高い。家を売らなければ相続税を払えない。
相続税対策をしなくちゃ。」
と思われるかもしれません。
でも、相続税の仕組みは、
そこまでひどいことになっていません。
次回に説明します。
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