弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第5回
やはり破産した方がよいか−親の借金はどうなる?その4

実際に資産管理・資産承継無料相談に来られた方の
相談についての僕の回答の続きです

弁護士:そのようなことを心配されるのであれば、
     破産させた方がよいと思います。

     あなたの場合でも破産したら
     お金を貸してくれるところは無くなりますから。
     その代わり、親類の方への借入も返済できなくなります。
     破産は債権者を平等に扱いますから、
     誰か特定の債権者だけに返済したり、
     破産手続きから除いたりすると、
     破産手続の中で
     借金の支払義務を無くす免責という決定が
     出なくなります。

相談者:それだと、親戚との関係が悪くなってしまいますよね。

弁護士:もちろん、借金を踏み倒すのですから、
     そうなってしまいますね。

相談者:父も、破産なんて恥ずかしくてできるかなんて
     言っています。

弁護士:お父さんの気持ちは、
     あまり考えなくてよいのではないでしょうか?
     自分でした借金を返せず、
     子供にお金を出させているのですから。
     あなたや親類子供たちがお金を出さなければ
     破産せざるを得なくなります。
     むしろ、破産してもらい、
     お金を借りられないようにした方が
     あなたがお金を出したりしなくて済むし、
     悩まなくて済みます。
     大体、借金を繰り返す人は収支の感覚がなく、
     無ければ借りればよいと思っていますから、
     借りることができなくなるまで
     自分の状況がどうなのかわかろうとしません。
     僕の経験からは、借金の整理をする際に
     親などがお金を出して払ってあげた場合、
     再度借金をしてしまうことが多いです。
     あなたの場合は、子供が親の借金のためにお金を出す
     という珍しいケースですが。

     破産は、債権者も申立ができます。
     あなたは、お父さんの債権者なのですから、
     お父さんが破産した方がよいのであれば、
     破産の申立をすることができます。

相談者:そこまでは、まだ考えていません。

弁護士:それなら、あなたがお父さんの家計を管理する
     ということはできますか?
     給料の入る預金通帳を預って収入を全部管理し、
     必要なお金があるときはあなたに言って
     お金を出してもらうというようにするのです。

相談者:父がそんなことを承諾するでしょうか?

次回に続きます。


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2004年10月26日(火)

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