弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第4回
家計の再建が可能か−親の借金はどうなる?その3

実際に資産管理・資産承継無料相談にこられた方の
相談についての僕の回答の続きです

弁護士:銀行が承諾しないと任意売却は難しいですね。
     破産すれば、管財人が任意売却をしたり、
     金融機関が競売にかけたりしますが、
     そうすると普通に売却するよりも
     売却金額が下がったり、手数料がかかったりするので、
     借金が残って、保証人に迷惑がかかってしまいます。

     それから、弟さんの作業場の問題や
     あなたがお父さんと共同で
     土地を利用しているところにも、
     任意売却で解決するには問題はありますね。

     では、このまま返済して行けるか確認しますが、
     ご両親の収入はいくらですか?

相談者:2人合わせて、月25万円から30万円です。

弁護士:ローンの返済は?

相談者:ローンの返済は月12万円です。
     今返済しているサラ金への返済が
     月10万円ありますが、今月で終了します。
     ただ、親類への返済は全くしていません。

弁護士:月25万円あれば、月12万円返しても、
     家賃がないし、お子さんも独立していることから
     きついかもしれませんが、
     ご両親は十分生活していけると思いますが、
     農業はどうですか?

相談者:農業は赤字です。

弁護士:赤字なら止めた方がいいと思います。

相談者:ただ、自分で米を買ったりすることを考えれば
     トントンかもしれません。
     この点は、よく収支を計算してみます。

弁護士:親類やお子さんからの借金を後回しにすれば、
     破産しなくても済みますが、
     親類の方はどう言っていますか?

相談者:子供は、後回しでもよいのですが、
     建設業を営んでいる親類は自分の事業が苦しいらしく、
     返済を求めています。
     その親類からの借入が900万円あります。

弁護士:その親類に、毎月5万円から10万円の範囲で
     払えるだけ払うという約束をして、
     それで応じてもらえれば、
     それで解決をするというのはどうでしょうか?

相談者:父は、借金を抱えていても、収支に無頓着で、
     お金がなくても、酒やタバコにお金を使い、
     足りなくなると
     いろんなところからお金を借りてきてしまい、
     心配なのですが、どうしたらよいでしょうか?
     実際に、サラ金からの借金の整理を弁護士に依頼して
     現在支払いを続けているにもかかわらず、
     お金が足りなくなると、どこからか借りてしまい、
     返済できなくなると私にお金を無心しに来ます。

次回に続きます。


←前回記事へ

2004年10月21日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ