弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第3回
財産状況を聞く−親の借金はどうなる?その2

前回ご紹介しました
実際に資産管理・資産承継無料相談にこられた方の
相談についての僕の回答です。

弁護士:ご両親の借金の相談ですね。
     まず、ご両親の借金は、何のための借入ですか?

相談者:詳しいことはわかりませんが、
     家を建て直したときの借金だと聞いています。
     あとは、借金の返済等で不足すると
     お金の借入をしていたようです。

弁護士:これ以外に借金はありませんか?

相談者:よくわかりませんが、
     800万円の他に親類や私を含めた子供に
     1800万円くらいあります。

弁護士:住宅ローンの担保は、
     自宅の土地建物だけについていますか?

相談者:いや、田んぼなどにも付いています。

弁護士:事前に言いました
     固定資産税評価証明書はお持ちですか?

相談者:持って来ました。

弁護士:固定資産税の評価の方が時価よりも低いのですが、
     地方であまり土地が売れないところでは、
     かなり参考になります。
     田んぼは、跡継ぎがなく
     人に頼んで作ってもらっている農家が多いくらいで、
     購入する人はいないでしょうから、無価値とします。
     自宅は、土地建物合わせて、900万円くらいですか?
     これを売れば、金融機関への借金は無くなりますね。
     任意売却と言って、金融機関の承諾を得て、売却し、
     代金で借金を返済するという方法があります。

相談者:実は、隣の土地を借りて、
     私が自宅を建てて住んでいるのですが、
     入り口や水道管など両親の土地を利用しているので、
     売却することに不都合があるのです。

     また、両親の土地上に、
     弟が建物を建てて仕事をしているという事情もあります。
     それから、金融機関も、両親も
     自宅を売却して借金を返済することには消極的です。
     金融機関からの借入には保証人も付いています。

次回に続きます。


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2004年10月19日(火)

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