弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第88回
離婚の際の慰謝料は

芸能人の離婚のニュースなどで、
慰謝料何億円などという報道がなされます。
しかし、この慰謝料には、いわゆる慰謝料の他に
財産分与と養育費などが含まれているので、
正確ではありません。

そこで、前回の続きです。

(2)財産をどう分けるか(財産分与の問題)
   2人で婚姻中に築き上げた財産を分けるのが財産分与です。
   誰の名義になっているのかは関係ありません。

   基本的に、結婚後に作った財産を合計し、2で割ります。
   結婚前から持っていた財産、
   結婚後に相続などで得た財産は、原則として、
   財産分与の対象になりません。

   結婚後にたくさんの財産を作れば、
   もちろん財産分与が多くなります。
   逆に、住宅ローンを抱えて財産の合計がマイナスの場合も
   2で割って分けることとなります。

(3)慰謝料は請求できるか
   慰謝料は、離婚の原因を作った方が
   相手の精神的苦痛を慰謝するために払うこととなります。
   しかし、慰謝料は、
   男性が女性に支払うものと考えている人が多く、
   女性が浮気をして別れることになったのに、
   女性から慰謝料を請求されていて
   いくら払ったらよいかと聞いてくる人のよい男性もいます。

   慰謝料は、結婚期間や子供の有無などにもよりますが、
   300万円から500万円が多いと言われています。
   事情によって、それより少ない場合もありますし、
   多い場合もあります。

(4)子供の親権はどうするか
   子供の親権は、子供が10歳までは、
   原則として母親とされています。
   母親に、基本的生活ができない、
   あるいは子供を養育するのに
   まずい事情があるなどの場合には父親に親権が認められます。

   子供が15歳以上の場合は、
   ある程度子供が自分で判断できることから
   子供の意思により親権者を決めます。
   親権を得られなかった方の親は、
   月1回くらいの面接交渉権が認められるのが普通です。

(5)子供の養育費をどうするか
   養育費は、夫婦が結婚生活を続けていれば、
   子供が得られたであろう生活に関する費用のことです。

   通常成人までと言われていますが、
   大学等に進学した場合は、大学等を卒業するまでとなります。
   この養育費は、厳密に計算すると
   子供1人の生活にどれくらいかかるか計算し、
   夫婦の収入の割合で負担することとなります。
   妻の方が収入が多ければ
   妻の方が多く負担することとなります。
   親の収入が多ければ
   子供の生活レベルも高くなると考えられるので
   養育費も多くなります。
   ただ、実際の養育費は、
   子供1人、3万円から5万円が多いようです。

   養育費は、離婚後の夫婦の収入や
   子供の生活状況の変化などにより、
   離婚時に決めた養育費を増額したり、
   減額したりすることができます。


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